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Amazonの影響で苦しんでいる小売業者は「Amazon被害者指数」で分かる?

5/14(日) 11:50配信

ZUU online

「Amazon被害者指数」なるものをご存じだろうか。Amazonに利益を押されている小売業者を、その日の株価や浮動株に対する空売り残高比率に基づいてリストアップしたものだ。
近年の指数をみるかぎり、小売業者はAmazonに押され気味という印象を受けるが、空売り残高比率が高いほど、上昇局面で株価が高騰する確率が上がるともいえる。

■国際小売市場を脅かすAmazon

この指数は、市場統計調査会社、ビスポーク・インベストメント・グループ が、特定の小売業者の株価の値動きを数値化し、小売り業者株に資金を投じている投資家向け指数だ。2014年から毎日更新している。

世界小売市場で猛威をふるうAmazonとの比較を、各小売業者のパフォーマンシス指針にしている点がユニークだ。

インターネットの普及によってAmazonが小売市場に与えた影響は、衝撃的なレベルに達している。デロイト・トーマツが発表した「国際小売業ランキング」 の最新版では、米老舗大手のウォルマートやコストコ、仏カルフールとともに、初のトップ10入りを果たした。2015年の収益は792億6800万ドル(約8兆9834億円)、成長率は13.1%と、トップ10中、米薬局チェーン、ウォルグリーン・ブーツ・アリエンス(成長率17.3%)に次ぐ飛躍を見せた。

■米総合小売り大手間でもパフォーマンスに差がある?

Amazonの勢力拡大は、ライバル小売業者にとって脅威であることは疑う余地がない。単純に分析すると、Amazonの売上が伸びれば伸びるほど、消費者の「店舗離れ」が加速 していることになる。

「Amazon被害者指数」の対象となるのは、他社ブランドの商品を中心に、実際の店舗での直通を主要販売ルートにしている小売業者(オンラインによる流通は限定的)。また「S&P コンポジット 1500 株価指数の小売り部門」、あるいは「S&P 小売セレクト・インダストリー指数」の銘柄という条件を満たしている必要がある。

2017年1月の時点で該当するのは54社。一例を挙げると、ウェブWebサイト上にデータが掲載されている1月5日は、全社の株価が平均3.57%下落。つまりこの日の「被害者指数」はマイナス3.57 ということになる。

米総合小売り大手「Kohl’s」の株価は、前日から19.02%減、同じく「Macy's」も13.90%減など惨敗だ。対照的にCvC Carmarkは2.90%増、コストコは1.97%増と好調な動きを見せた。

下記のランキングはビスポークが、「空売り残高が最も高い小売業者」 を、最新のデータに基づいて作成したものだ。過去1年で最も株価の変動が大きかったのはRH(旧レストレーション・ハードウェア)で、54.95%上昇。浮動株に対する空売り残高比率は、54.55と最も高い。10社中8社の株価が著しく下落しているものの、特に順位の高い業者ほど、将来的に株価の反転上昇が期待できる要素もある。

近年、売上が急激に低下しているアバクロ(9位)は、今年に入り米60店舗閉鎖を発表。買収先を物色しているとも報じられている。

■「空売り残高が最も高い小売業者」と浮動株に対する空売り残高比率(%)

10位 TailoredBrands 29.01
9位 Abercrombie&Fitch 29.68
8位 Buckle 31.28
7位 BigLots 32.49
6位 JCPenny 35.17
5位 Dillard’s 36.72
4位 Fred’s 41.84
3位 Big5SportingGoods 42.44
2位 Rent-A-Center 46.13
1位 RH 54.55

(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

最終更新:5/14(日) 11:50
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