ここから本文です

<子育て>助産師に聞く 母乳トラブルの対処法、予防法

毎日新聞 5/14(日) 10:00配信

 赤ちゃんが生まれた後にお母さんたちを悩ませるトラブルの一つに、母乳の問題があります。「母乳がなかなか出ない」と悩む人がいる一方、「母乳の出が良すぎて乳腺が詰まってしまう」という人もいます。そんな悩みの対処法を、助産師として豊富な経験を持つ高橋紀子・北海道大助教(助産学)に教えてもらいました。【聞き手=医療プレミア編集部・鈴木敬子】

 ◇出にくくても、常に母乳を空にし続けて

 --母乳がなかなか出ないときの対処法を教えて下さい。

 高橋助教 母乳は出産直後からいきなりたくさん出るということではなく、赤ちゃんに何回も吸ってもらうことで、徐々に増えていきます。分娩(ぶんべん)後1日半~4日目くらいで、急激に量が増えてくると言われています。

 対処法ですが、次の点に気をつけてみてください。まず出産直後から、赤ちゃんが飲みたそうにしているときに、欲しがるだけ授乳をすること。そして母乳の量が少ないと感じても母乳を出し、おっぱいが「から」に近い状態になるまで赤ちゃんに飲んでもらうか、飲みきれない場合は搾ること。そうすることで、次の授乳までに作られる母乳の量が増えていくといわれています。

 ◇赤ちゃんに上手にくわえてもらうと、詰まりも解消するかも

 --母乳が詰まってしまった時はどうすればいいのでしょうか? 詰まりを予防する方法と合わせて教えて下さい。

 高橋助教 母乳が詰まるのは、赤ちゃんのおっぱいのくわえ方が十分でない時や、母乳の出が良すぎる時、あるいは母乳が乳房内に残ってしまった時に起きます。その原因となるのは、母乳を十分に出していない、きついブラジャーを着けている、ストレスなどが考えられています。

 対処法としては、赤ちゃんの抱き方と乳首の含ませ方をもう一度確認することが最も効果があるでしょう。詰まっている方の乳房から授乳を始めたり、授乳中におっぱいを軽く圧迫して流れやすくしたりすることもいいと思います。そうしても詰まりが取れない場合には、産科がある医療機関や地域の助産院などで助産師に見てもらうことをお勧めします。

 詰まりの予防には、赤ちゃんの抱き方とおっぱいの含ませ方を確認して、乳房の中に母乳が残らないよう効果的に飲んでもらうこと、そして母乳を乳房の中に長時間溜めないように、張ってきたと感じたら出すことが大切です。

 ◇赤ちゃんが楽に吸える姿勢で、深くくわえさせること

 --赤ちゃんの抱き方とおっぱいの含ませ方を、具体的に教えてください。また、乳首に傷ができる場合はどうしたらいいのでしょうか?

 高橋助教 抱き方は、お母さんがリラックスしていることが大切です。そして、お母さんのおなかと赤ちゃんのおなかがくっついている状態にしてください。例えば赤ちゃんのおなかが上向きで、顔だけおっぱいの方を向いている、という状態になると、体がねじれてしまって、とても母乳を吸いにくくなります。赤ちゃんの頭と背中の軸がまっすぐであることが抱き方としては重要です。

 おっぱいの含ませ方は乳首の先だけを吸うのではなく、色の変わり目の部分、乳輪のところまで深くくわえさせてあげるようにしてください。

 これができていないと乳首に傷ができやすくなります。もし、出産直後から1週間くらいの間に傷ができた場合は、赤ちゃんの抱き方とおっぱいの含ませ方を見直してみる必要があります。傷を治すために乳頭保護器を使うと聞くこともありますが、赤ちゃんがうまく母乳を飲むことを妨げる可能性があるので、傷を治す目的での使用はお勧めしません。

 赤ちゃんが成長し、歯が生えてくると噛まれることがあります。もし授乳中に噛まれてしまったら、赤ちゃんの口に指を入れてそっとおっぱいを離してあげましょう。また、噛む前に赤ちゃんはいったん舌を引っ込めますので、そのタイミングでさっとおっぱいを離すと噛まれることを減らせるのではないかと思います。

最終更新:5/14(日) 10:00

毎日新聞