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<北海道>シカわな汚職 市職員を送検 現場任せずさん管理

毎日新聞 5/14(日) 10:53配信

 エゾシカ捕獲用の囲いわなの発注を巡り、北海道紋別市職員が加重収賄容疑で逮捕された事件で、道警は12日夜、市役所など関係箇所を家宅捜索。逮捕した菅原豪容疑者(47)を13日、旭川地検に送検した。市や地元猟友会でつくる「鳥獣被害防止対策協議会」は、菅原容疑者が狩猟免許を持つなどエゾシカ駆除に精通していたことから、業務を一手に任せていたといい、業務管理のずさんさが事件の背景にあったとみられている。【真貝恒平】

 同協議会は地元でエゾシカなど有害鳥獣の駆除など、農業被害対策をしている組織。近年、エゾシカ被害が増えていることから、農水省は駆除1頭当たり8000円、囲いわな1平方メートル当たり3万8000円を交付しており、その交付金を受け、発注業務をするため組織されている。

 菅原容疑者は、10年ほど前に狩猟免許を取得し、道猟友会紋別支部に加入。同協議会では2011年7月から16年3月まで、入札参加業者の選定や予定価格の算定などを担当し、業務を一手に取り仕切る立場だった。

 しかし、同協議会を構成する猟友会紋別支部の幹部は「わなをどこに設置していたのかの報告もなかった」と漏らす。囲いわなは電気柵を設け、えさでエゾシカを誘い、捕獲する。今回、不正発注があった囲いわなは2014年冬に同市渚滑町に設置されたが、電気柵に電流を通したこともなく、一頭も捕獲されなかったという。

 囲いわなの製作を手がける道内のある業者は「わなを設置する際には、エゾシカの足跡などを長期間にわたり観察するなど、設置場所の選定が重要な上、設置後にこまめな点検など管理が十分じゃないと効果は生まれない」と話す。

 猟友会紋別支部のメンバーは現在35人。昨年から7人が退会し、ハンターら駆除に携わる人材の育成も課題になっている。男性幹部は「エゾシカの頭数が増え、対策が急務の中、効果の少ない囲いわなには協議会全体の関心が薄かった」と指摘する。

 ◇宮川市長陳謝「誠に残念だ」

 紋別市の宮川良一市長は13日記者会見し、職員が逮捕されたことについて「誠に残念であり、遺憾。心からおわびしたい」と陳謝した。市は2010年にあった職員の横領事件後に策定した再発防止策の見直しを検討する。

 宮川市長は、菅原容疑者がエゾシカ駆除など協議会の業務を取り仕切っていたことについて「長くなり頼った。知識、経験があり、物申せない状況があって、チェック機能が働かなかった。反省している」と述べ、「捜査に最大限協力し、しかるべき時期に説明責任を果たしたい」とした。【本多竹志】

最終更新:5/14(日) 10:53

毎日新聞