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<和菓子>多様な性、尊重の「かけはし」に 虹色の錦玉発売

毎日新聞 5/14(日) 12:57配信

 さりげなく、だけどしっかり“懸け橋”に--。茨城県鹿嶋市の老舗和菓子店「丸三老舗(まるさんろうほ)」が5月17日の「多様な性にYESの日」を前に、性の多様性を象徴する虹色の錦玉(きんぎょく)を発売した。錦玉は、寒天と砂糖を溶かし、固めて作る透明感のある菓子。共同で開発した市民グループ「にじいろ神栖」(同県神栖市)の河野陽介代表(31)は「性的少数者をめぐる理解の促進につながれば」と期待する。

【写真特集でみる「かけはし」】光や角度で違った表情に

 5月17日は、世界保健機関(WHO)が1990年に精神疾患リストから同性愛を削除した日。欧米を中心に、この日を「同性愛嫌悪とトランス嫌悪に反対する国際デー(IDAHO=アイダホ)」として、差別と闘う活動が拡大した。2014年に日本記念日協会が、「多様な性にYESの日」と認定した。

 虹色の錦玉作りは、丸三老舗の7代目、笹沼和彦社長(41)が1年ほど前、同社の雇用について「性的少数者(LGBTなど)、大歓迎!」とツイートをしたことがきっかけとなった。ツイートを見た河野代表が連絡を取り、交流がスタート。「多様な性にYESの日」に合わせ、それにちなんだ和菓子を作ろうと、両者で企画した。

 錦玉は「かけはし」と命名。性の多様性を示す「6色」のグラデーションに色づけ、角度や光の加減で違った表情を見せる。「多様な性」の尊重を訴える活動は各地で増えてはいるが、街頭でのキャンペーンへの参加は、当事者だと周囲に知られたくない人にとって、地方ではとりわけハードルが高い。河野代表は「それでも、この期間に『6色の虹』を見れば、性的少数者に寄り添うメッセージであることが、分かる人には分かる」と、虹色に込めた思いを語る。

 性的少数者の雇用に関しては、当事者からの働きかけだけでなく、企業や社会の側からも働きやすい環境づくりに努めることが求められている。笹沼社長は「主義主張や性的指向、国籍、障害の有無に関係なく、うちで働きたい人、仕事を頑張ってくれる人を雇用している」。虹色の錦玉について「江戸時代の文政5年(1822年)の創業以来、社会的なメッセージ性のある和菓子は初めて」と話す。

 「かけはし」は一つ280円(税別)。期間限定で販売する予定で、全国発送も行う。店舗併設のカフェでは、虹色にちなんだメニューも登場させる。問い合わせは、丸三老舗(0299・82・1727)。【岡本同世】

最終更新:5/16(火) 12:35

毎日新聞