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「簡単に消せる、簡単に保存される」 ネットの書き込みとその影響力  モバプリの知っ得![5]

琉球新報 5/14(日) 12:30配信

一億総書き込み時代
 この10年で、スマートフォンは驚くほど普及しました。私たちとインターネットの距離はどんどん近くなっています。

 Twitter、Facebook、InstagramなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用率は2016年末で69.3%、2018年末には74.7%に達すると言われています。
 

記事:ICT総研-2016年度 SNS利用動向に関する調査

 こうなると、ほとんどの人がインターネット上に自分の意見を書き込む「一億総書き込み時代」がやってきます。

 インターネットが普及する前は自分の意見を広く発信するために、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などの「マスコミ」を通す必要がありました。その結果、限られた一部の人たちで言論空間が作られたのです。

 一方、インターネットは誰でも簡単に書き込むことができます。そのため、言論空間が開かれていて、多種多様な意見が出てきます。

 この「平等で、誰でも参加ができる」ことが、インターネット最大の魅力ともいえます。
 

リスクを伴う書き込みと「炎上」
 しかしながら、多くの人に見られる可能性があるインターネットへの書き込みは、当然リスクも発生します。

 何気なく書き込んだ言葉・投稿した画像が意図せず広がり、批判が殺到することがあります。これが「炎上」と呼ばれる現象です。

 炎上をうまく使うことで話題になり、自分のビジネスを広く認知させている方もいます。しかしながらネット世論をコントロールすることは簡単ではない上、危険と隣り合わせ。炎上商法はあまりおすすめできません。

 炎上を避けながらインターネットで意見を発信することがこれからの時代に求められることかもしれません。
 

「やんちゃ自慢」と「声の大きい極論」
2つの炎上パターン
 炎上が発生する原因はさまざまですが、ほとんどが以下の2つどちらかに当てはまります。

1.違法性が高く、いちじるしくモラルを欠いた言動

未成年飲酒画像をネットに投稿する
バイト先の業務用冷蔵庫にふざけて入った写真を投稿する
1人を集団で暴行する動画を投稿する

2.強い言葉で何かを否定する

重い病気の医療を否定し、「死ね」という言葉を使う
特定の地域の人たちを根拠に基づかない情報で病人扱いする

 1の事象は、「やんちゃ自慢」と言い表すこともできます。

 投稿した本人に悪気はなく、むしろ誇るような気持ちで投稿しています。このパターンは「賛否両論」にならず、一方的にバッシングされることがほとんど。プロフィールやその他の書き込みなどから「氏名」「住所」「会社・学校」などが特定されると、ネット上で個人情報がまとめられ、ずっと残ります。

 この炎上は今後の実生活、たとえば仕事や人間関係、結婚などにも大きく影響するため、本当に避けなければなりません。


 2の事象は、何かを否定することが火種になりがちです。

 インターネットは多種多様な人が見る可能性があります。実際に起こった出来事や人の意見などを「否定」することでその当事者や関係者などから反発がきます。そして「否定」を表明する際に「こいつはバカだ」など、「バカ」「死ね」などの強い言葉を使えば反発もどんどん大きくなります。

 書き込む人はインターネット上の情報だけを見て、自分なりの判断や意見を反射的に考えるわけですが、その時の認識や否定にいたる根拠に誤りや勘違いがあると、当然ながら他の人からの反発はより大きくなります。
 

ネット空間でもTPO
 そして1、2で共通している部分。それは「仲間内でのノリを、外に出してしまった」ということです。本来は友だちなどの親しい仲間同士で、居酒屋で繰り広げられるようなトークが、インターネットを介して多くの人の目に止まり、結果、炎上するのです。

 本来であれば情報を発信することや、意見を言うことはTPO(時間・場所・場合)をわきまえなければいけないことです。しかし今の時代、誰でも手軽にインターネットに投稿できるようになった結果、「つい、うっかり」仲間内でとめておけばいい話を投稿してしまうのです。

 インターネットをやっている以上、誰にでも炎上リスクはあります。投稿には常に気をつけながら、他人の炎上を見て原因を自分なりに分析することが大事です。
 

ネットでの書き込みは消しても復活する
 炎上しそうな投稿をしても「消せばいいじゃん」と思う方もいらっしゃると思います。確かに投稿を削除することは簡単にできます。

 しかしながら、削除する前に誰かがその投稿を保存していると...ネット上から完全に消去するのは不可能となります。

 インターネットには、Web魚拓という文化があります。

 魚拓とは、釣った魚に墨を塗って紙や布に記録する昔からの手法ですが、これから由来して、インターネット上の書き込みを記録するサービスをWeb魚拓といいます。

 Web魚拓以外にも、スマートフォン・パソコンの画面上を写真に残して保存するスクリーンショットという機能があります。

 スマートフォンの場合、機種によって操作方法が変わりますが「ホームボタン+電源ボタン」「電源ボタン+ボリュームダウンボタン」など、2つのボタンを同時に押すだけで撮影完了。画面に表示されているものがそのまま写真として保存されます。(このスクリーンショットは便利な反面、画像編集で簡単にねつ造もできるため、用心深く見る必要があります)

 ネット上で発した情報は、大本の投稿を削除しても、他の誰かが写真を撮ったりして保存することが簡単にできます。そして最悪の場合、「この人はこういうことを言っていました」と他人によって再度投稿されます。その投稿を見た別の誰かが保存したり、友だちに転送したりすると...こうして、あなたの投稿はどんどん復活することになります。

 インターネットは誰でも自由に書き込める反面、誰でも投稿を保存し、削除後でも簡単に復活させることができます。

 インターネットへの投稿が身近になった今だからこそ、リスクを意識しながら付き合わなければなりません。そして炎上を見てしまった場合、その原因を自分なりに考え、自分に当てはまらないように気をつけて、インターネットを使い、書き込まなければなりません。
 


 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」5月14日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/

 


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琉球新報社

最終更新:5/14(日) 12:30

琉球新報