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【Uターン記者・鴨川一也のいばらき再発見】大子町・旧上岡小学校

産経新聞 5/14(日) 7:55配信

 ■桜に囲まれた木造校舎

 朝から降り続いた雨がやみ、日が差し込むと木造校舎の輪郭が浮かび上がった。雨が散らしたのか、桜の花びらが広がる校庭に、今にも児童たちが飛び出してきそうな錯覚を覚える。

 県北に位置する大子町は、4月上旬から桜が見頃を迎え、場所や品種によっては5月に入っても楽しめる木がある。茨城で最も遅くまで桜を楽しめる地域ではないだろうか。

 明治43年に校舎の第1棟が建てられた大子町の上岡(うわおか)小学校は、児童数の減少で平成13年に閉校。その後も町や地域住民らの手で大切に整備され、現地に保存されている校舎としては県内で最古のものになる。明治時代の小学校の様子を伝える貴重な建造物として国の有形文化財にも登録されている。

 旧上岡小を訪れたのは4月下旬。校舎の目の前に植えられた背の高いソメイヨシノの木は満開だった。

 小学校のそばに住む久保田不二子さん(73)は「運動会の時は、子供と保護者、地元住民が集まってそれはにぎやかで楽しかった」と振り返る。子供2人も上岡小を卒業したという。「春が一番きれいだね。この風景を残していけるといいな」と語る。

 最近ではテレビドラマや映画のロケ地として有名になり、休日には歴史ある校舎を見ようと多くの観光客が訪れる。平日は人影もまばらで、校庭のブランコに腰掛け、花を見ているとあっという間に時が流れていく。贅沢(ぜいたく)な時間を過ごすことができた。(鴨川一也)

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 写真報道局の写真記者から故郷・茨城に“Uターン”赴任して1年。魅力度最下位が「定位置」ともいわれる茨城の隠れた魅力を発掘し、随時紹介していきます。

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 ■アクセス

 水戸方面からは、常磐自動車道を那珂インターチェンジで降り、国道118号を経由して約1時間。大子町上岡957の3。土日祝日は午前9時から午後4時まで校舎内の見学が可能。

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【プロフィル】鴨川一也

 かもがわ・かずや 平成24年、産経新聞入社、写真報道局に配属。26年8月の広島市土砂災害や同年9月の御嶽山噴火など大規模災害や事件を中心に取材。28年4月に水戸支局に赴任し、警察・司法、鹿行地域などを担当。神栖市出身。

最終更新:5/14(日) 7:55

産経新聞