ここから本文です

<島根県警>点字の名刺で安全安心 「全国に普及を」

毎日新聞 5/14(日) 13:22配信

 島根県警は交番や駐在所での点字の活用に力を入れ、全国に先駆けた取り組みとして注目されている。身分や連絡先を点字で伝える「パトロールカード」や「点字名刺」などを本部で作り、県内各署に配布。2013年に隠岐の島署の駐在所で始まった点字パトロールカードを参考に全署に広めた。この取り組みは今年4月に「地域住民に安心感を与えた」として警察庁生活安全局長賞を受賞した。【根岸愛実】

 県警は昨年春、「障害者差別解消法」が施行されたのをきっかけに、点字シールを作ることができる「点字ラベラー」(約7万円)を購入。各署に積極的な活用を指示し、13の交番・駐在所がパトロールカードなどを取り入れた。今年度からは県内全署の交番・駐在所署員に、名刺の裏に貼るための点字シールを配布している。

 点字パトロールカードを始めたのは、今は雲南署赤名駐在所に勤める金山真次巡査長(41)。きっかけは、隠岐の島署中条(なかすじ)駐在所に勤務していた13年、巡回で訪問した視覚障害者の女性に「あなたが警察官かどうか分からない」「点字の名刺はないのでしょうか」と言われたことだった。

 金山巡査長はすぐに点字の打てる施設を探し始め、約1カ月後にカードを完成させた。女性からは「これで信用できる」と声をかけてもらい、2回、3回と巡回を続けるうちに声を覚えてもらったという。

 県視覚障害者福祉協会の小川幹雄会長(73)は「県警が私たちの安全安心を考えてくれて大変喜ばしい」と話す。同協会が日本盲人連合会に県警の取り組みを伝え、同連合会が「全国の警察に普及させてほしい」と警察庁に要望したという。

 県警ではパトロールカードや名刺だけでなく、交番や駐在所に設置されている呼び出し電話などにも点字シールを貼っている。地域課の担当者は「今後も活用の幅を広げていきたい」としている。

最終更新:5/14(日) 13:22

毎日新聞