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<軽乗用車>「世界に1台」、左ハンドル化 輸出構想も

毎日新聞 5/14(日) 13:42配信

 香川県三豊市詫間町詫間で自動車整備工場を営む真鍋貴行さん(57)が、軽乗用車を左ハンドル車に改造し、愛好者のハートをつかんでいる。純正部品を可能な限り活用し、公道も走れるのが特長。軽は日本の独自規格で、メーカーは左ハンドル車を製造しておらず、「世界でたった1台、自分だけの車」が受けているようだ。

 真鍋さんは、市販車から福祉車両やキャンピングカーなどへの改造をこれまでも手掛けてきた。2014年2月に軽乗用車の左ハンドル化を計画。スズキの軽乗用車「ハスラー」について、ハンドルやメーター類はもちろん、パワーウインドーの操作スイッチも左右を入れ替えた。自動車検査(車検)に適合させるため、運転席側のフロントガラスの雨粒を十分に取り除く必要があり、ワイパーはモーターごと入れ替えた。

 軽乗用車の左ハンドル化は全国的にも例があるが、「軽商用車」への登録変更が多いという。だが、軽商用車の後部座席は折り畳み式などの制約があり、真鍋さんは使い勝手も同じ「軽乗用車」登録にこだわった。ダッシュボードの入れ替えでは、安全性証明のため、鉄球を衝突させる実験を繰り返した。陸運支局への提出書類は厚さ約1センチに達したという。

 車は16年5月に完成。定員や安全性、走り心地は市販車と同じだ。普段は工場にとめているが、インターネットで情報は広まった。ハスラーなら80万円あまりで改造可能という。ハスラー以外を含め、これまで10台近くを左ハンドルに改造した真鍋さん。左ハンドル車を巡っては、右折時の前方の見えにくさなど国内で議論もある。しかし、真鍋さんは路肩に止めた左ハンドル車から運転手が安全に乗降できるメリットにも気がついたという。

 「福祉車両が左ハンドルなら、安全に乗り降りできるはず。世界一厳しい車検に通る左ハンドルの軽乗用車なら、海外でも通用する。将来は輸出もやってみたい」。左側の運転席から望むのは、原点の福祉車両と世界市場だ。【植松晃一】

最終更新:5/14(日) 20:06

毎日新聞