ここから本文です

SXSW 2017観戦記 音楽を着る!? 猫背に猫耳が反応!?――日本の挑戦者たち

5/14(日) 13:27配信

ITmedia エンタープライズ

 世界80カ国以上からの参加者たちが、ネットワーキングを目的に“参戦”する「SXSW 2017」。日本からもさまざまな分野の企業が参戦していました。SONYやPanasonicは市街地の一角にある建物を借り切って展示していましたが、本来の会場ともいえるオースティンコンベンションセンターで開催されたTrade Showには、わが日本の仲間たちが集結していました。

【画像】ヘッドマウントディスプレイを使わずVR体験を実現する「8K:VR Ride featuring “Tokyo Victory”」

●1. 世界初「8K:VR Ride featuring “Tokyo Victory”」 NHKエンタープライズほか

 サザンオールスターズの『東京VICTORY』の軽快なサウンドが流れる中、長蛇の列ができていたのが、「8K:VR Ride featuring “Tokyo Victory”」のデモ。

 「SXSW 2016」では「8K:VRシアター」というコンセプトで出展し、“ヘッドマウントディスプレイを使わないVR体験”として注目を集めたデモは、「2016年度グッドデザイン賞」「Innovative Technologies 2016選考委員特別賞」「ルミエール・ジャパン・アワード2016 3D部門グランプリ」を受賞。今回の展示は、そのコンセプトの進化版だ。

 ヘッドマウントディスプレイを使わないVRという仕組みは、SONYの「The WOW Factory」でも紹介していた。

●2. 博報堂ブースのテーマは「ブレークスルー」

 SXSW常連企業の1つである博報堂は、グループ企業を含めて多彩な展示。最初に紹介したいのは、「LIVE JACKET」。これは、音楽を全身で体験できるというものだ。

 LIVE JACKETのタイトルは「WEARABLE ONE OK ROCK」となっており、最近ブレークした日本を代表するロックバンド「ONE OK ROCK」の新アルバム『Ambitions』の発売を記念して開発したものらしい。

 余談だが、ONE OK ROCKのボーカルのTakaさんは、離婚した森進一さん、森昌子さんの長男であることは有名な話。

 「ELI(エリ)」は、洋服の襟に付ける小型マイクデバイス。専用アプリと連動してユーザーが話す日本語を記録し、解析することで、ユーザーに最適な英会話レッスンを提供する。

 また、博報堂アイ・スタジオのデジタルクリエイティブラボ「HACKist」が提案する複合現実(MR)体験「INVISIVLE FORCE」は、あのMicrosoftの「HoloLens」と、筋電センサー付きのアームバンド「MYO」を組み合わせた超能力(!?)体験ができる。なんと、手で気を溜めて解き放つと、数メートル先にあるウレタンのジェンガを吹き飛ばすというもの。

●3. クラウドファンディングの成果を問うパルコ×学生チーム

 パルコは、未来の東京ファッションをテーマにしたVRのほか、自社のクラウドファンディング「BOOSTER(ブースター)」を活用し、学生ベンチャーの海外挑戦をサポートする企画を出展。

 東京大学主催の学生ベンチャーサポート組織「Todai to Texas」のサポートを受けて参戦したのが、「Neko Electro(ネコ・エレクトロ)」と「+move(プラス・ムーヴ)」という2チームの取り組み。いずれもパルコのクラウドファウンディングから生まれたプロジェクトだ。

 Neko Electroは、「猫背になると猫になる」をコンセプトにした、姿勢改善を促すIoTカチューシャ。このカチューシャを付けた状態で猫背になると、猫耳が飛び出ると同時に振動する。冗談のようなサービス(!?)だが、現役の東大女子学生4人組による本気の作品だ。

 +moveは、「SXSW 2015」でのPerfumeのパフォーマンスに感動して参戦を決めたという、これまた東大生のプロジェクト。このハンガーは、自動的に動き一定間隔を保とうとするもの。新しくハンガーを掛けると一斉に均等に間隔を保とうと動き出す姿はなんとも可愛らしい。女性ならではのアイデアだ。

●4. ベンチャーや日本マイクロソフトとコラボした資生堂

 資生堂は、香りをカスタムメイドするアロマディフューザー「BliScent(ブリセント)」と自動メークアプリ「TeleBeauty(テレビューティー)」で参戦。前者はベンチャー企業、後者はマイクロソフトとのコラボレーションによる出展だ。

 BliScentは、ユーザーの気分やストレスレベル、行動の情報に基づき、3000種類以上の香りをカスタムメイドしてブレンドする世界初のアロマディフューザー。共創したドリコスは、資生堂が出資するベンチャー企業だ。

 TeleBeautyは、日本マイクロソフトと博報堂ケトルが共同開発したオンライン用自動メークアップアプリ。Skypeなどのビデオ通話で映る顔に「ナチュラル」「トレンド」「クール」「フェミニン」の4タイプのからメークをしてくれます。今回の出典に先立ち、2016年の秋に日本マイクロソフトの女性社員100人で実証実験をしたとのこと。

●5. Panasonicは「Wonder LAB Osaka」の出展も

 前回紹介したアプライアンス事業部の「Panasonic House@SXSW」とは別に、コンベンションセンターでは、大阪西門真を拠点とした共創の場である「Wonder LAB Osaka」(ワンダーラボ・大阪)がアイデアあふれる展示をしており、「トントンボイス相撲」は、来場者の人気者だった。

 私が所属する富士通も、SXSWへの参戦を開始して3年目。社内のイノベーター有志がイノベーションの成果を発表する場として活用してきた。その軌跡は別途ご紹介したいと思う。

【著者:柴崎辰彦】