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安政の大獄で獄死の雲浜の書簡入手 福井信金が購入 

産経新聞 5/14(日) 7:55配信

 福井信用金庫(福井市)は、攘夷を訴えて獄死した幕末の小浜藩士、梅田雲浜(うんぴん)(1815~59年)が「安政の大獄」で捕らえられるきっかけとなった自筆の書簡を入手したと発表した。昭和初期から行方不明になっていたといい、幕末の動乱を伝える貴重な資料としている。

 江戸幕府の大老・井伊直弼を批判し、幕府が尊皇攘夷派を弾圧した安政の大獄の一因とされる朝廷の「戊午(ぼご)の密勅(みっちょく)」に関係した書簡。小浜藩士、坪内孫兵衛に宛てた書簡で、井伊に近い立場にあった藩主、酒井忠義が巻き込まれることを懸念し「はなはだ危ういこと」「江戸はもちろん、天下は遠からず動転することでしょう」といさめている。

 雲浜は小浜藩に提出した意見書で忠義の怒りを買い、藩籍を剥奪されていたが、書簡には「放逐の身を終わらせようとしているのではない」「故郷を思う気持ちが抑えられない」などと、忠義を守ろうとした姿勢をうかがわせている。

 雲浜を研究している元県史調査執筆委員の中島嘉文氏は「来年の明治維新150年を契機に、雲浜や明治維新に新しい視点が加えられることに期待している」と評価した。

 書簡は大正6年に雲浜のものと鑑定され、昭和4年の刊行物に収録されたが、後に所在不明となった。県の幕末史の顕彰事業に賛同する同信金は史料や書などを集めており、3月に京都市の古美術商から購入した。夏頃の公開を予定している。

最終更新:5/14(日) 7:55

産経新聞