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市川猿弥、母の日に思う“松前漬け”の味 子役時代からの支えに感謝

デイリースポーツ 5/14(日) 12:30配信

 明るい芸質で、敵役などでも独自の芸域を確立し、澤瀉屋一門の中でも、芝居と舞踊の上手さが一際目をひく市川猿弥(49)。現在、大阪松竹座で上演中の「五月花形歌舞伎」(~26日)に出演している。児童劇団から歌舞伎の子役として活躍していたが、三代目市川猿之助(現・猿翁)に認められ部屋子に。以来、研鑽を重ね、舞台を盛り上げている。そんな猿弥が、母の日に母・ムツさんへの思いを語った。

【写真】春猿(現河合雪之丞)、月之助(現喜多村緑郎)、右近(現右団次)らとの懐かしい1枚

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 私は製本業を営む一般家庭出身です。子役というのは母の役割が大きく、ずっとついて世話をしなくてなはらない。私の舞台についてきてくれて、帰宅してから夜中まで製本の仕事をしていたこともありました。もちろん主婦の仕事もあったし、母は本当に大変だったと思います。

 一人息子で、結婚するまではずっと両親と一緒に住んでいました。いまも両親とは、同じビルの上下別の階で住んでいます。母の味と言えば正月の「松前漬け」ですね。数の子や昆布やスルメ、にんじんなんかが入っていて、シンプルなんだけど、なんともいえず美味しい。他所でいただくのとは全然違う。私の母が作るこの松前漬けは娘も好きなようで、やはり受け継がれていくものなんだと感じますね。

 母は私が出演した東京の芝居は見に来ます。今月私は昼の部は『金幣猿島郡』で寂莫法印を、夜の部は『怪談乳房榎』で松井三郎のお役をいただいております。両方とも面白い作品で、お客様にも喜んでいただいている。母にも…とは思いますが、やはり東京以外の舞台を見てもらうことは、なかなか難しいですね。ところが20年ほど前のことなんですが、名古屋で出演しているときにわざわざ見に来たんです。そのときちょうど、家内との結婚を考えていた。そこでいい機会だったので、母に相談したことで、結婚の話が進んでいった。全てが偶然なんですが、私の心を読んだかのような偶然の一致に、何だか不思議な気がしました。

 母に対してはただただ感謝。「ありがとうございます」の一言ですね。以前はカーネーションを贈っていたんですが「気を遣わなくていいよ」という言葉に、甘えています。家内の母には、毎年カーネーションではなくカサブランカを贈っています。家内は家内で私の母にしてくれていると思いますし、私からは家内の母に、と。両方の母には、いつまでも元気でいて欲しいですね。

最終更新:5/14(日) 13:30

デイリースポーツ