ここから本文です

<北朝鮮ミサイル>最長飛距離、グアム射程圏か

毎日新聞 5/14(日) 23:08配信

 北朝鮮が14日に発射した弾道ミサイルについて、日本政府は「ミサイル能力の一定の進展を見せたもの」(防衛省幹部)として警戒を強めている。特に初めて2000キロ以上の高度まで飛ばしたことに注目し、軌道やミサイルの特性を分析。弾道ミサイル防衛(BMD)の新しいシステム導入の議論にも影響を及ぼしそうだ。

【北朝鮮の核・ミサイル開発を巡る最近の動き】

 防衛省は今回のミサイルについて、飛行時間は30分程度で、高度2000キロ超、飛距離約800キロと発表した。高度が1000キロを超え、飛距離は約400キロだった昨年6月の中距離弾道ミサイル「ムスダン」のケースと比べ、高度と距離はそれぞれが2倍程度だったと推測されている。

 北朝鮮は今回、通常よりも高い高度に打ち上げる「ロフテッド軌道」を狙ったものとみられる。最も遠くを狙った場合の飛距離について防衛省は「分析の焦点の一つ」だとして明らかにしていない。米国の科学者組織「憂慮する科学者同盟」はウェブサイトで独自の分析結果を公表。今回のミサイルの射程は、米国領グアム(北朝鮮からの距離約3400キロ)を圏内に含む「約4500キロ」とした。

 海上自衛隊の元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は飛行時間が約30分だったことに注目する。「米ソ冷戦時代の大陸間弾道ミサイル(ICBM)は射程1万キロで、飛行時間が30分だった。一般論で考えれば今回のミサイルはICBMと同じ程度の能力を持っていると考えてもおかしくはない。6000キロ程度飛ぶ可能性が否定できない」と指摘する。

 ロフテッド軌道で打ち上げられた弾道ミサイルの弾頭は高速で落下し、より迎撃が困難になる。日米両政府は、ロフテッド軌道への対応がより確実となる迎撃ミサイル、海上配備型SM3の改良型(ブロック2A)を早期に導入したい考え。さらに、現在はイージス艦に搭載しているSM3と同じシステムを陸上に配備する「イージス・アショア」などの新システムを導入するかの検討も加速する考えだ。【木下訓明】

最終更新:5/14(日) 23:34

毎日新聞