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桐生、不完全燃焼 「まさか」のフライング失格

産経新聞 5/14(日) 0:08配信

 退場を告げられた桐生は少しだけ首を右にかしげ、表情をなくした顔でスタート位置から離れた。日本人初の9秒台が期待された自身2度目のダイヤモンドリーグ。21歳は号砲をレーンの外から聞いた。

 「(タイミングは)ぴったりだと思ったけど。まさか失格するとは思っていなかった。仕方ない」。競技人生で初めてだというフライングでの失格に恨み言を吐く気はないが、「調子もめちゃくちゃ良かったし、優勝を狙える気持ちだったので、パフォーマンスを出せなかったのは悔しい」。こちらは本音だ。

 今季の取り組みが試されるはずだった。スタートの1歩目を鋭くするため、土江寛裕コーチと音が耳に入った瞬間に動き出す練習を繰り返してきており、「少しは反応できるようになったと思う」と手応えをつかみつつある段階だった。

 直前には右隣のヤングがフライング。桐生が失格した仕切り直しのスタートも会場はざわつき、「セット」からピストル音までは「少し遅い気がした」(サニブラウン)。ただ、これもまた勝負の一部なのだろう。

 中国メディアから、優勝した蘇への感想を求められた桐生は「すごいと思うけど、今は自分のことで精いっぱいで少し分からない」と丁寧に答えた。リベンジの舞台は25日からの関東学生対校選手権になる。(宝田将志)

最終更新:5/14(日) 0:08

産経新聞