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準天頂衛星「みちびき」、来月1日に2号機 日本宇宙産業の“先導役”に期待

日刊工業新聞電子版 5/14(日) 10:30配信

日本版GPS、18年度から本格稼働

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月1日、米国のGPS(全地球測位システム)衛星の日本版で内閣府が運用する準天頂衛星「みちびき」の2号機を打ち上げる。2017年度中に3機を打ち上げ、18年度から初号機を含めた4機体制として本格稼働する。すでに衛星測位システム(GNSS)を利用したビジネスが盛んな欧米、中国との競争の中で、日本の宇宙産業の“みちびき”役になることが期待される。

 みちびきは米国のGPSの補完と補強の機能を持つ。GPSやみちびきなどの衛星測位では、複数の衛星からの信号を利用し地上の位置と時刻を特定するが、地上の位置特定には最低4機の衛星からの信号受信が必要。現在の日本では、みちびき1機に対しGPSなど他の測位衛星を組み合わせて測位している。

 18年度からみちびき4機、23年には同7機が地球周回軌道を回り、米国に頼らない体制へ移行する。2―4号機の開発・整備費用は打ち上げ費用を含め900億円、1機当たり300億円だ。

 みちびき1―4号機は、赤道上の高度3万6000キロメートルの「静止軌道」を通る3号機、静止軌道に対し軌道面を40―50度傾けた楕円軌道上の「準天頂軌道」を通る1、2、4号機で構成され、日本の真上に長く滞在することが大きな特徴。

 日本のほぼ真上を通るため、ビルが多い都市部を中心に測位精度が改善する。さらにみちびきには測位誤差を小さくするシステムを組み込んでおり、水平方向で6センチメートル以内にまで誤差を補正できる。

23年には7機体制、位置精度で優位に

 米衛星産業協会(SIA)の報告書によると、15年の人工衛星関連産業の世界市場規模は2083億ドル(約23兆円)で、06年の1060億ドル(約12兆円)からほぼ倍に拡大した。このうち、人工衛星によるナビゲーションなどを含めたGNSSの市場規模は780億ドル(約8兆8000億円)だ。

 同報告で人工衛星の機能別の割合を見ると、最大は「通信(民間)」で37%、「通信(政府)」で14%。“みちびき”を含む「測位」は7%を占める。米国はGPS、欧州はガリレオ、中国は北斗といったGNSSを運用して民間ビジネスでの活用を推進しており、今後、市場競争の激化は確実だ。

 内閣府宇宙開発戦略推進事務局準天頂衛星システム戦略室の守山宏道参事官は「衛星測位はIoT、ビッグデータと関わり産業の基盤になると見られるため各国間の競争が激しい」と分析する。

 米国のGPSが30機程度の衛星数で構成するのに対し、日本の測位衛星システムは衛星数が1ケタ少ない。だが位置精度は数センチメートルと、他国の1メートル以上の位置精度に比べると優位に立つ。守山参事官は「みちびきは宇宙の利活用において、国際的に先駆的な立場にある」と強調する。

 みちびきを運用する内閣府は3月から試験サービスを始めた。企業や研究機関はみちびきのビジネスへの活用を模索中。農業の活用などでアジア諸国も注目しており、高精度測位技術サービスの海外展開も期待できる。

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最終更新:5/14(日) 10:30

日刊工業新聞電子版