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へその緒が付いた子猫3匹を拾った夏休み 元気に育った「ミー吉」

sippo 5/14(日) 10:02配信

「あんなに大変で、あんなに楽しい夏休みはなかったな」

 都内に住む小学5年の女の子、ニイノちゃん(11歳)が、手にのるほど小さな3匹の子猫を保護したのは昨年7月のこと。家を訪ねると、そのうちの1匹、立派に成長したミー吉とともに出迎えてくれた。

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「ママと一緒に、犬のバニラ(2歳)を美容院に連れて行く途中だったんだけど、『ニャア、ニャア』と声がして。近寄ると、黒い物がモゾモゾ動いていた。ネズミかなって思ったら、猫だったのでびっくり」

 生まれて間もないのか、まだへその緒がついていた。ニイノちゃん親子は、いったんはその場を離れたものの、猫のことが気になって仕方なかった。2人とも大の動物好きなのだ。でも、人間が触ることで親猫が戻らなくなるのではないか、と気になった。さらにもうひとつ問題があった。父親がひどい猫アレルギーなのだ。だから、家で飼うことはできない……。

「あーどうしようと思っていたら、夕方に雨が降ってきて、ママと一緒にタオルを持って子猫を救いに行きました。パパには『命を助けたいから、家におかせてください』ってお願いして。家では飼わないってことも約束しました」

 ニイノちゃんが段ボールと布で猫ハウスを作っている間に、母親が粉ミルクと哺乳瓶をペットショップに買いに走った。哺乳瓶一本では足りず、すぐに100円ショップで注射器を2本買い足した。最初のうち猫たちはミルクをうまく飲めなかった。そのため「ちゃんと生きていけるのかな」と、家族はとても心配したのだという。

「主人の職場の方に、生まれてすぐの子だと(病気を持っている場合)死んでしまう可能性もあると聞いて、段ボールを頻繁にのぞき、動いているとホッとして。夏休みだったので、家族が交代で、数時間おきに授乳と排泄の世話をしたんです。主人も手伝ってくれました」

 ニイノちゃんが記録していた「ねこけんこう記録表」には、当時のことが残っている。

「ミー吉・98g、ミー助・83g、三彩乃(ミーノ)・86g」(2日目)
「ミー吉・103g、ミー助・78g、三彩乃・82g」(3日目)

 1日でミー吉は体重が増えていたのに、ミー助とミーノは少し減っていた。それでも、家族がつきっきりで世話をした甲斐があり、子猫は3匹とも無事に育った。雌のミーノは白黒の境目がはっきりし、雄のミー吉とミー助はグレーがかった黒が濃くなった。引き取り先も、早々に決まった。

「主人の学生時代の友人宅にミーノが、友人の知り合いのお花屋さん宅にミー吉とミー助の2匹がそろって行く……はずでした。ところが、土壇場で変わったんです」と、母親が首をすくめる。

「実は、いざ全員を送り出すことなったら、さみしくて、耐えられなくなって」

 そう話す横で、ニイノちゃんがいう。

「わたしは子猫全員がよそにいくって諦めていたのに、ママがわんわん泣いちゃった……。あんまり泣くから、パパも、しかたないねってなって(笑)」

 ひと夏、愛情をかけて育てた“わが子”を、母親はどうしても手放せなかったのだ。

「2匹一緒にもらわれたほうがいいかなとも思ったのですが。先方にわがままを聞いていただきました。情がすっかり移ってしまったのですね、と理解してくださって」

 子猫を拾ってから3週間後、一家は前から決まっていた旅行に行くことになった。その間、子猫3匹を“ミーノの引き取り先”である家族が預かり、そこからお花屋さんに1匹もらってもらうことにした。

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最終更新:5/14(日) 13:30

sippo