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犬との関係は「親子関係」 たたいて従わせるのは「虐待」! 獣医師が解説

sippo 5/14(日) 11:50配信

 飼い主さんからよく受ける質問があります。それは「犬が私の言うことを聞かないのは自分の方がえらいと思っているからでしょうか?」というものです。

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 おそらく犬には偉いとか偉くないというような概念すらないでしょう。殴りつけていうことを聞くようになったとしたら、それはその人を「偉い」と思うようになったからではなく、「怖い」と思うようになっただけです。暴力が尊敬の念を生むことはありません。

 犬と人が一緒に暮らすようになってから少なくとも1万数千年~3万年という月日が経っているとされています。犬は地球上の動物の中で、最も早くに家畜化され、現在に至るまで人の一番近くで生活してきました。

 それにもかかわらず、いまだに人は犬を十分に理解しているとはいえません。なかでも犬がいちばん被害を被って来たと思われる誤解が「優位性理論」です。犬と飼い主の関係をオオカミの群れに見立て、犬が飼い主の指示に従わなかったり、攻撃的にふるまうのは犬と飼い主の上下関係が逆転しているからだと長年言われてきました。

 幸い、現在では犬と飼い主の関係にこの優位性理論を当てはめるには無理があることがわかってきました。

 その理由は多くありますが、犬はオオカミと共通の祖先を持つ動物ではあっても、行動特性にかなりの違いがあること、また自然界で生活しているオオカミの研究から実際のオオカミ同士の関係もこれまで考えられていたような厳しい上下関係ではなく、仲むつまじい家族関係であることがわかってきたことなどです。

 また犬は家畜化の過程で幼形成熟(ネオテニー)という変化が起きているために、生涯こどもの心を持つ動物です。飼い主さん自身も犬を我が子のように思っている人が多いと思います。

 最近の研究では犬と飼い主の交流によって母性行動と関係の深いオキシトシンというホルモンの分泌が促進されることもわかっています。つまり飼い主と犬の関係は上下関係や主従関係ではなく親子関係そのものと言えます。

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最終更新:5/14(日) 11:50

sippo