ここから本文です

アップルがほくそ笑むApplePayの最新状況ー今後日本に起こる3つの変化

BUSINESS INSIDER JAPAN 5/14(日) 21:10配信

2016年10月25日にApple Payの日本国内でのサービスが開始されてから半年が経過した。日本でのサービスインは14年10月の米国を皮切りに12カ国目となるが、原稿執筆時点の17年5月初旬までのタイミングにスペイン、アイルランド、台湾でのサービスも開始され、世界15カ国での展開となっている。

ここでは、Apple Payの現状について、米Apple CEOのティム・クック(Tim Cook)氏とJR東日本副会長の小縣方樹氏が新宿駅の改札を通過した16年10月13日から、どのような結果を残し、今後の日本の決済をどう変えていくのかを考えていきたい。

米Appleは5月2日(現地時間)、同社会計年度で17年度第2四半期(1-3月期)決算を発表した。カンファレンスコールの中でティム・クックCEOはApple Payの現状について、最新の報告を行っている。

(カンファレンスコールの書き起こしはコチラ:Apple (AAPL) Q2 2017 Results - Earnings Call Transcript(英語))

日本での話題だけに着目すると、

In Japan, where Apple Pay launched last October, more than 0.5 million transit users are completing 20 million Apple Pay transactions per month.(Apple Payが昨年10月に開始された日本では、50万以上の交通利用者が月間2000万回のApple Payによる処理を行っている)

というSuica処理に絡む数字が確認できる。

重要なのは、この数字が「多いのか少ないのか」「改札処理以外の物販も含むのか」という点だ。筆者の視点では「(サービス開始半年としては)悪くない水準」で、「物販は含んでいない」と考えている。

根拠はこうだ。50万人の利用者がいるとして、みんなが通勤または通学で1カ月間自宅と職場(または学校)を往復したとすると、「50万人×2(往復)×20日(1カ月あたりの営業日の概算)=2000万回」ということになる。つまりティム・クック氏が公表した数字はコンスタントに通勤・通学で利用しているユーザーと数字のみをカウントしたものではないか。「登録したのみであまり頻繁に利用しない非アクティブなユーザー」や、物販などを含む「個々の買い物や交通移動」はあまり考慮していないものと思われる。

またApple PayにおけるSuicaの性質上、首都圏を除くエリアや、首都圏でも通勤・通学エリアにJR東日本を含まないケースではApple Payを通勤定期として利用できない。そのため、別途ICカードの定期券を持つ必要がある。

総務省の平成28年版情報通信白書によれば、日本国内のスマートフォン普及率は72.0%となっており、国内でのスマートフォンにおけるiPhoneシェアが6割程度という状況を顧みれば、4000-5000万台程度のiPhoneが稼働していることになる。2年サイクルでの買い換えを想定してiPhone 7の比率をiPhone全体の2-3割程度と考えれば、日本国内でSuicaを利用可能なApple Pay対応iPhoneの台数は最大で1000-1500万台程度ではないかと予想する。首都圏人口の比率(全人口の4分の1程度)とJR東日本を通勤・通学に利用する条件を満たす母数はそれほど大きくなく、クック氏の示した50万人という数字から想定される(現時点での)普及率は高いと筆者は判断している。

ただ、これはApplePay対応iPhone(原稿執筆時点ではiPhone7のみ)の普及率がまだ低い現状を考慮してのものだ。今後2年をかけてApple Pay対応iPhoneの普及率が100%へと近付くことで、普及率の伸びはおそらく鈍化していくだろう。

かつての「おサイフケータイ」がそうであったように、10~20%といった一定水準に達した段階で普及率の伸びはブレーキがかかってしまう可能性が高い。つまり勝負は2年後、この「20%の壁」を突破できるかどうか。それが日本国内でのApple Payの今後を占ううえでの試金石となる。

1/2ページ

最終更新:5/14(日) 21:10

BUSINESS INSIDER JAPAN