ここから本文です

南武線誕生の秘話熱演 開業90年、市民劇スタート

カナロコ by 神奈川新聞 5/14(日) 10:12配信

 今年3月に開業90周年を迎えたJR南武線の誕生をテーマにした市民劇「南武線誕生物語」の上演が13日、川崎市多摩区の多摩市民館で始まった。川崎の大動脈となった鉄道建設を巡る人間ドラマを公募した市民や俳優らが熱演。笑いあり、涙ありの物語に、約730人の観客が魅了された。

 
 地元の歴史や人物を取り上げてきた川崎郷土・市民劇の第6弾。多摩川の砂利輸送を目的に1927年に開通した「南武鉄道」の誕生秘話にスポットを当てた。脚本を手掛けたのは市内在住の劇作家小川信夫さんで、史実と創作を絡めた壮大な物語に仕上げた。

 軸となるのは、御幸村(今の幸区と中原区の一部)の村会議員を経て橘樹(たちばな)郡議員として活躍した秋元喜四郎と、京浜臨海部を埋め立てた実業家の浅野総一郎の2人。氾濫を繰り返す多摩川に堤防を造るよう村民約600人と県に訴え出た「アミガサ事件」のリーダーでもある秋元が、村の発展を願い鉄道建設に乗り出すものの、資金不足に悩む。そこに、青梅の石灰岩を臨海部のセメント工場に運ぶ鉄路の必要性を見抜き、日本の近代化を目指していた浅野が加わり、対立しながら互いの夢を重ねていく過程が描かれている。

 劇中では、映像を効果的に使いながら多摩川の氾濫を再現したり、当時の新聞記事や写真を映したり。歌や踊りにコミカルなやりとりも織り交ぜられ、会場ではシーンごとに笑いや拍手が湧き起こった。

 川崎出身の主婦(74)=東京都世田谷区=は「南武線は何十年も利用していたが、詳しい誕生の経緯は知らなかった。楽しく知ることができてよかった」と話していた。

 今後の上演は多摩市民館で14日午後1時半、エポックなかはら(同市中原区)で19日午後6時半、20、21日午後1時半開演。当日自由席は3200円。問い合わせは、上演実行委員会電話044(222)8878。

最終更新:5/14(日) 10:12

カナロコ by 神奈川新聞