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県と7市町村返礼見直し ふるさと納税総務省通知受け

北日本新聞 5/14(日) 0:48配信

 ふるさと納税の返礼品の調達費を寄付額の「3割以下」に抑えるよう求める総務省の通知を受け、この基準を上回る品物を用意してきた県と高岡、射水、氷見、滑川、立山、朝日、舟橋の7市町村が、いずれも見直しを進める方針であることが北日本新聞の取材で分かった。これらの自治体は「行き過ぎた返礼品競争に歯止めがかかる」と通知に一定の理解を示す。その半面、寄付の落ち込みに対する懸念や、一律に3割で線引きすることへの戸惑いの声も聞かれた。

 4月1日付の通知で、総務省は調達費の抑制をはじめ、換金性の高い家電や商品券などを返礼品にしないよう要請した。豪華な品物を用意する一部の市町村に寄付が集中し、「好きな自治体を応援する趣旨から逸脱している」との批判が高まったことが背景にある。調達費がかさみ、政策に充てるお金が増えていない現状を是正する狙いもある。

 2016年度の寄付の受け入れ額が1億8443万円と県内トップだった氷見市は、約100品目の返礼品の4割が「3割以下」の基準を超える。返礼品を渡す寄付額を引き上げたり、品物の量を減らしたりして、通知への対応を急いでいる。

 これまでも鮮魚の詰め合わせや民宿の利用券など、地元のPRにつながる返礼品を用意しながら、調達費は全品目の平均で3割を下回るように配慮してきたという。市は返礼のルールの必要性を認めた上で、「これからは寄付を集めるための自助努力や工夫が難しくなる」とも言う。

 射水市は「寄付額の4割程度」を目安に返礼品を設定してきたため、全50品目の大半が基準を上回る。現在配布している返礼品のパンフレットの有効期限が7月末となっているため、8月から通知に沿ったラインアップに見直す。

 判断に頭を悩ませているのは高岡市。約100品目の中で唯一、「伝統産業の体験」が基準を超える。1万円以上の寄付で、スズのぐい飲みを作る体験コース(4千円)に参加できる。高額な「品」ではないため今後も継続し、対象になる寄付額を引き上げる方向で検討するという。

 他の自治体では、県が寄付額1万円以上と5万円以上のコースの間に、1万5千円以上の枠を新設して通知に対応。滑川市と立山町も既に見直した。朝日町と舟橋村は改善に向けて検討中という。

 見直しによる寄付への影響については、見方が分かれる。氷見市は「豪華な返礼品がある自治体に集中していた分が流れてくるようになる」とプラスの効果を期待する一方、舟橋村は「返礼品の対象になる寄付額の引き上げによって、減少するのではないか」とみて、地元の納入業者の受注減を懸念する。

 返礼品の調達費を巡っては、高額の品を用意して多くの寄付を集めていた自治体を中心に、全国で見直しの動きが広がっている。


■16年度は5億3000万円「納税」/県と市町村
 2016年度に県と15市町村に寄せられた「ふるさと納税」の総額は5億3708万円で前年度の1・8倍となった。返礼品の充実やインターネットを活用したPRによって、9市町村(射水、魚津、氷見、滑川、黒部、南砺、上市、朝日、舟橋)が前年度から額を伸ばした。

 県のまとめでは、寄付の申し込み総数は2万1676件で、金額と共に過去最高を更新した。氷見市と射水市は初めて受け入れ額が1億円を超えた。氷見市は返礼品を約30から約100に増やし、射水市はネットでのPRを強化したことを理由に挙げる。

 県と6市町(富山、高岡、砺波、小矢部、立山、入善)は受け入れ額が前年度を下回った。返礼品競争の激化を要因とする自治体もあった。

 ◆◆ふるさと納税◆◆
 応援したい自治体に寄付すると住民税や所得税が軽くなる制度。年収などで決まる上限以内なら自己負担は2千円となり、3万円を寄付した場合は税金が2万8千円少なくなる。都市部に偏る税収を是正し、地域活性化につなげる目的で2008年に導入された。返礼品の高額化などに伴って寄付は増え続け、16年度は全国で2千億円を超えたとみられる。

北日本新聞社

最終更新:5/14(日) 7:54

北日本新聞