ここから本文です

嫁入り道具から原画発見 1951年の高岡産業博ポスター 高岡の大寺さん 

北日本新聞 5/14(日) 1:00配信

 1951年に高岡市の高岡古城公園(高岡城跡)で開催された高岡産業博覧会の特別ポスターに使用された原画が、県内で見つかった。関西画壇で活躍した日本画家、森戸国次氏(故人)の作品で、入手した男性が娘の嫁入り道具として、ついたてに仕立てていた。娘への愛を込めた贈り物にしたことで、原画は状態の良いまま残った。市立博物館はことし、娘から寄贈を受けた原画を展示。現物が見つかっていないポスターも探そうと、情報提供を求めている。 (高岡支社編集部・柵高浩)

 見つかった原画は縦76・8センチ、横94・2センチ。卓台に置かれた花瓶に生けた満開の牡丹(ぼたん)と山桜が描かれている。博覧会誌によると、花瓶は銅器、台は漆器、敷布は高岡で盛んだった捺染(なっせん)をイメージしたと推測される。これまで原画、ポスターともに現物が見つかっておらず、博覧会誌の口絵写真しか残っていなかった。

 原画を寄贈したのは同市昭和町の大寺(おおてら)桂子さん(88)。大寺さんの父で洋装店を営んでいた唐木清一さん(故人)が、高岡古城公園近くの表具店から原画を購入。博覧会の翌年に大寺さんが嫁ぐ際、「人様を迎える玄関にふさわしいように」と、文字が入った部分を切り取った原画をついたてに仕立て、祝いの品として大寺さんに持たせたという。

 大寺さんの息子、克昌さん(61)=黒部市犬山=は「母はついたてをとても大切にしていた」と言う。大寺さんは「年を取ったし、絵を自分の手元に残しておくのは忍びない。市にお返ししたい」と、おととし5月に市立博物館に連絡して寄贈が決まった。

 市立博物館は、ことし2月から5月7日まで開いた「新資料展」で原画を展示した。今後も機会をみて公開する考えで、仁ヶ竹亮介主査学芸員は「保存状態が良好で、高岡の産業の足跡が分かる貴重な史料」と評価している。

◆高岡産業博覧会 地方産業の振興と日本の豊富な電源力や産業のPRを目的に、1951(昭和26)年4月5日から50日間、高岡古城公園を会場に開かれ、62万人以上が訪れた。23のパビリオンが設けられ、庄川の小牧ダムを再現した巨大模型や北陸で初めてテレビを公開した「テレビジョン館」が人気を集めた。博覧会を契機にして公園内に美術館(現・市立博物館)や動物園も建設された。

■もう1種類は郷倉千靱氏作 庄川の藤永さん保管
 高岡産業博覧会の特別ポスターは森戸氏と射水市出身の日本画家、郷倉千靱氏(故人)が描いた2種類あった。郷倉氏のポスター原画は、砺波市庄川町示野の農業、藤永一雄さん(83)が所有。最近、ポスターも入手して大切に保管している。

 藤永さんは2000年の暮れ、地元の表具店で、桜が咲くお堀端を描いた絵を見つけ、一目でほれ込み購入した。翌年1月、高岡市美術館が創立50周年に合わせて特別ポスターの情報提供を呼び掛けているとの本紙記事を読んで、名乗り出た。原画は美術館の50周年展で展示された。

 5年ほど前に、南砺市の骨董(こっとう)店で郷倉氏の特別ポスターも見つけて入手した。縦100センチ、横70センチの大きさだった。藤永さんは「偶然出合った絵のゆかりを知り、なおさら大事にしている」と語った。

北日本新聞社

最終更新:5/14(日) 12:33

北日本新聞