ここから本文です

免許返納、最多2554人 昨年の県内、アドバイザー制度奏功

北國新聞社 5/14(日) 2:14配信

 石川県内で昨年1年間に運転免許を自主返納した人は2554人を数え、道交法改正で自主返納が可能となった1998(平成10)年以降、過去最多となったことが県警への取材で分かった。金沢中署が昨年から、自主返納した高齢者を「アドバイザー」として委嘱し、啓発活動に取り組む制度を取り入れたことなどが奏功したとみられる。県警は今後、アドバイザー制度を県内各署へ拡大することも検討し、自主返納の後押しを進める。

 県運転免許センター(金沢市)によると、運転免許返納者数は2012年の755人から、13年897人、14年1493人、15年2268人となり、年々、右肩上がりに推移してきた。昨年は返納者のうち65歳以上が2448人と全体の96%を占め、男性は80歳すぎ、女性は70歳前後の返納が多かった。今年も返納に関する相談が増えている。

 昨年11月、金沢中署から運転免許自主返納アドバイザー第1号として委嘱を受けた乙村董(ただす)さん(86)=金沢市窪6丁目=は、各地区の老人会などに出向いて啓発活動に励む。2年前に運転免許を返納した乙村さんは「歩くことで血糖値が下がったり、バス停で地域の人と会話が弾んだり、うれしい効果がある」と自身の生活の変化を紹介する。

 昨年12月末現在、県内の運転免許保有者77万9799人のうち、65歳以上の高齢者は18万3907人を数えた。県警によると、昨年の交通事故死者48人のうち、高齢ドライバーが過失の重い「第1当事者」となった事故で13人が亡くなり、全体の27・1%を占めた。15年は過去10年で最多の19人が犠牲となり、全体の41・3%だった。

 高齢ドライバーが事故を引き起こす背景について、県警幹部は「身体機能の衰えに気付かず、安全確認などを怠るケースが多い」と指摘する。一方で、公共交通の充実していない地域では、高齢者が生活の足として車を運転する必要に迫られている側面もある。

 県警交通企画課の担当者は「支援のさらなる拡充を図り、免許返納を後押ししたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:5/14(日) 2:14

北國新聞社