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日本郵政の大型買収案、市場に警戒感 企業統治の欠如を懸念する声も

SankeiBiz 5/16(火) 8:15配信

 不動産大手、野村不動産ホールディングス(HD)の買収を検討していることが明らかになった直後の15日の日本郵政の決算会見は、長門正貢社長に対して買収の狙いを確認する質問が相次いだ。長門社長は「具体的な話は何もできない」としつつも「郵政、郵便にとって大事な決断であれば手を打っていきたい」と述べ、野村不動産HDの買収に向けて調整を進める方針を明らかにした。

 豪物流大手トール・ホールディングスの業績不振で巨額の特別損失を計上した日本郵政の買収戦略には、市場からも疑問の声が出ている。不動産業界についてリスクが高いことを認めた上で、長門社長は「大変な減損を繰り返さないよう本当に必要かしっかり詰めたい」と述べた。

 日本郵政関係者によれば、トールの買収に関する巨額の減損処理は、昨年6月に日本郵便の社長に横山邦男氏が就任した直後、長門社長が指示したという。長門社長は自らが買収に直接関わっていないトールという西室泰三前社長時代からの負の遺産を断ち切った上で、新たな収益の柱として不動産事業に狙いを定め、野村不動産HDの買収を進める考えとみられる。

 ただ、日本郵政株の15日の終値は前週末比5円(0.4%)高の1402円にとどまっており、市場は日本郵政の買収戦略に警戒感を緩めていない。

 また、与党関係者も「野村不動産HDの買収は全く聞いていなかった。郵政内でも聞いていない幹部が多いようだ」と、西室社長が独断に近い形で進めたとされるトール買収と同様に、コーポレートガバナンス(企業統治)の欠如を懸念する声も聞かれる。

 長門社長が西室氏の買収戦略との違いを明確に示すことができるかは、野村不動産HDの買収の成否にかかっている。(大坪玲央)

最終更新:5/16(火) 8:24

SankeiBiz