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次期政府専用機、ANAで自衛官初訓練 777モックアップで

5/15(月) 22:09配信

Aviation Wire

 防衛省は5月15日、2019年度に導入予定の次期政府専用機に乗務する自衛官の訓練を、都内にある全日本空輸(ANA/NH)の訓練施設で開始した。

【訓練の様子を見る】

 次期政府専用機は、2014年8月にボーイング777-300ER型機が選定され、2019年度に2機導入。現在の747-400は退役する。整備や教育、訓練についても、委託先が日本航空(JAL/JL、9201)からANAに移った。

◆「歴史は諸君から始まる」

 今回ANAの施設で訓練を受けたのは、航空自衛隊で政府専用機を運航する特別航空輸送隊(千歳基地)に所属する空中輸送員5人。民間機の客室乗務員にあたる空中輸送員の任務は、乗客の接遇や緊急事態発生時の安全確保のほか、荷物の搭載卸下(しゃが)や機体の重量重心位置の管理なども担う。

 防衛省では、今年度から2018年度にかけて、次期政府専用機に乗務する空中輸送員の養成を計画。現在の隊員が機種移行する際は3日間、新たに選抜された隊員向けには1カ月程度の訓練を実施する。

 3日間の機種移行訓練では、777の機体に関する講習やドア操作の座学と実技、搭降載作業、重量重心位置の管理に関する講義のほか、実機作業を見学する。新隊員向けには、ボーイング機の基礎知識や機内食サービスなど、自衛隊機と異なる点に関する訓練も受ける。

 15日はANAでの初の訓練を実施。特別航空輸送隊が属する航空支援集団の司令官で、政府専用機の運用責任者である小城(こじょう)真一空将は、開講式で空中輸送員に「航空自衛隊の空中輸送員の777にかかる歴史は諸君から始まる。後に続く多くの隊員の先達となれるよう、限られた期間だが精進してほしい」と訓示した。

 空中輸送員の訓練を受託したANAの山本ひとみ客室センター長は、「高い品質の訓練を目指していきたい」とあいさつした。

◆インターホンで苦労

 ANAの訓練施設内にある777のモックアップ(実物大模型)では、ANAの教官がドア操作や機内アナウンスで使うインターホン、オーバーヘッドビン(手荷物収納棚)の扱い方、ラバトリー(化粧室)やギャレー(厨房設備)の構造について、空中輸送員に講義した。

 特別航空輸送隊所属4年目の佐藤光沙一等空尉は、「インターホンの形状が現有機と大きく違い、取り出したり戻す際の機構が異なるので、習熟が必要と感じた」と感想を語った。

 インターホンは、民間機では客室乗務員が座る席の真横に設置されているため、不自然な体勢で取り出さなければならず、訓練でも隊員が苦労していた点だった。「現有機はベテランも乗っているので、肩が上がらないときついのでは」と述べた。

 小柄な佐藤隊員は、現在の政府専用機とは形状が異なるオーバーヘッドビンを閉める際、足かけに乗っていた。「少し高めなので、背を伸ばして安全に収納できるようにしたい」と話した。後輩には佐藤隊員よりも小柄な隊員もいるといい、訓練でポイントを習熟したいという。

 佐藤隊員は「習熟して後輩に教えていく立場になるので、しっかり勉強していく」と決意を語った。

 防衛省では、今月下旬に第2陣の訓練を計画。今回と同様、機種転換訓練を予定しているという。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:5/15(月) 22:23
Aviation Wire