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「KM流エッジIoT」が進化の源に、コニカミノルタが“仕込み”を成果に変える

5/15(月) 12:10配信

MONOist

 コニカミノルタは2017年5月11日、2017~2019年度の3カ年を対象とする新中期経営計画「SHINKA 2019」を発表した。2014~2016年度に実施した「TRANSFORM 2016」における“仕込み”を確実に成果として出していくフェーズとなる。2019年度の経営目標値は、営業利益750億円以上、営業利益率7%以上、当期利益500億円、ROE9.5%に定めた。そして中期目標とする2021年度の営業利益1000億円以上、営業利益率10%以上、当期利益700億円以上、ROE11%につなげていきたい考えだ。

【前中計「TRANSFORM 2016」から新中計「SHINKA 2019」、2021年度の中期目標にかけての利益面の推移などその他の画像】

 同社社長兼CEOの山名昌衛氏は、コニカミノルタがSHINKA 2019の最終年度に当たる2019年度、そして中計目標とする2021年度に目指す姿として「課題提起型デジタルカンパニー」を挙げた。これは、従来の製品分野別の事業体制から、全社を挙げて各業種/業態の顧客の潜在的課題を先取りし、共に解を創出するような事業体制になることを指す。山名氏は「ビジネス社会・人間社会のSHINKA(進化)のために新たな価値を創出し続ける企業になる。そのための中期経営計画になる」と説明する。

 中期経営計画を進める上でのコニカミノルタの強みは、材料、画像、光学、微細加工の4分野におけるコア技術と、複合機を中心とした200万社の顧客基盤だ。「顧客とのつながりこそがIoT(モノのインターネット)時代の資産に他ならない」(山名氏)という。

 これらのコア技術と顧客基盤を強化するための“仕込み”に注力してきたのが前中計のTRANSFORM 2016になる。加えて、世界5極に開設した「ビジネスイノベーションセンター(BIC)」の活動を基に2017年3月に発表したエッジIoTプラットフォーム「Workplace Hub(ワークプレイスハブ)」など、IoT時代に対応できるような体制も整えてきた(関連記事:サーバ付き複合機から始まる、コニカミノルタのIoTプラットフォーム構想)。

 SHINKA 2019では、ワークプレイスハブを起点とする「KM(コニカミノルタ)流エッジIoT」を強みとした事業戦略を拡大し、TRANSFORM 2016の“仕込み”を高収益の事業という成果に変えていくことが目標となる。この高収益事業に当たるのが「成長事業」と「新規事業」だ。併せて、これら成長事業と新規事業への投資費用を稼ぎ出すため、従来の製品分野別事業に当たる「基盤事業」の収益力を高めていく必要がある。

●KM流エッジIoTをどのように強くしていくのか

 KM流エッジIoTで強みとするのは、画像/光学分野のコア技術を用いた現場でリアルタイム処理と課題解決になる。その一方で、コニカミノルタの強みを生かせないようであれば、エッジIoTにはこだわらず、マイクロソフトやシスコシステムズ、HPE、SAPなどのグローバルパートナーのクラウドやAI(人工知能)を活用する。

 山名氏は「特に中小/中堅企業に向けて、バーティカルにB2BのエッジIoTプラットフォームを提供できるようにしていく。グローバルパートナーの大手企業は、これらの中小/中堅企業にアクセスしたいと考えており、当社もコア技術を生かせない分野では彼らの力を借りたいのでWin-Winだ。そのためにも、KM流エッジIoTの強みを生かした事業体制を、SHINKA 2019の3年間で何が何でも形にする。そうしなければ、有力なクラウドやAIを持つグローバルパートナーの大手企業の下請けにしかならないだろう」と強調する。

 またKM流エッジIoTでは、従来の製品分野別のような縦割りの事業体制と一線を画していく。ワークプレイスハブを中核に、各国・地域の販社が、さまざまな業種・業態に展開する「Go To Market体制の構築」を進める。その体制を強化するため、BICと同様に世界5極にIoTビジネスセンターを開設し、各国・地域の現場の需要に対応した開発を行えるようにしていくという。

●基盤事業で300億円のコスト改善

 基盤事業の収益力強化では、3カ年で300億円のコスト改善を目指す。マレーシア工場で取り組みを進めているデジタルマニュファクチャリングの成果出しと横展開で160億円、KM流エッジIoTのノウハウを活用した故障予知やリモートサービスなどで60億円、管理間接機能の簡素化で80億円という構成になっている。また、業績数字に大きな影響を与えているユーロ感応度についても「ユーロ-円の為替で1円円高に傾くと12億円悪化しているのが現状。これを、ユーロでの調達を増やすなどして、3カ年で影響を半減させたい」(山名氏)という。

 前中計のTRANSFORM 2016から、新中計のSHINKA 2019にかけて、成長事業と新規事業は投資モードが続く。しかし、SHINKA 2019の最終年度の2019年度には、収益を稼ぎ出す段階に入るとしている。そして2021年度には、利益の半分を成長事業と新規事業で占めることを想定している。

最終更新:5/15(月) 12:10
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