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「タイガーマスク」からハンス・ジマーまで、日本アニメオタクが挙げる名作サントラ

5/15(月) 10:10配信

シネマトゥデイ

 『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(5月20日公開)は、1970年代に人気を博したロボットアニメ「鋼鉄ジーグ」をモチーフにしたイタリア映画。超人的パワーを手に入れたチンピラが「鋼鉄ジーグ」に憧れるヒロインのために正義の味方を目指すアクションドラマで、本国イタリアでは大ヒット。監督のガブリエーレ・マイネッティは音楽も担当しており、日本のアニメ愛に勝るとも劣らぬ熱いサントラ論を語った。

【動画】日本のロボットアニメにオマージュ!『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』予告編

 2006年には「ルパン三世」をモチーフにした短編『バゼッテ(原題)/ Basette』を、2012年には「タイガーマスク」にオマージュを捧げた短編『タイガーボーイ(原題)/ Tiger Boy』を発表しているマイネッティ監督にとって、アニメのテーマソングやBGMは大きな刺激だった。「『タイガーマスク』のイタリア版主題歌はアニソンの中でも最高傑作。実は日本版の曲とは全然違う明るい曲調ですが、イタリアの少年たちはみんな胸を熱くしたんですよ」。

 前述の『バゼッテ』では「ルパン三世」の音楽を手がけた大野雄二を意識してジャズ風のサントラに仕上げた。「『皆がこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』のサントラも一緒に作ったミケーレ・ブラガと僕は大野雄二さんの大ファン。当時の日本のアニメの音楽にはファンキージャズみたいなカッコいい曲がたくさんありましたよね。あの頃の日本には大勢のスーパーミュージシャンがいたんでしょうね」と賛辞を惜しまない。

 自作のサントラでは作曲だけでなくギターも演奏するマイネッティ。「音楽家を尊敬し過ぎていて、自分がミュージシャンだなんておこがましい」と恐縮する一方で、映画音楽には並々ならぬこだわりがある。「バーナード・ハーマンのように音楽がストーリーテラーの役割を果たすのが理想」とヒッチコック作品などで知られる巨匠の名を挙げ、現役の映画音楽家ではハンス・ジマーを最も敬愛しているという。

 「ジマーはクラシックの素養がなく楽譜も読めなかったと聞きますが、好奇心にあふれていて、いろんなタイプの監督ともコラボレーションしています。ガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』とクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』のサントラを聴き比べるととても同じ人が作曲したとは思えない。一方でトーマス・ニューマンは非常に個性が強く、自分自身の埋没しがちというか、どの作品も一聴して彼だとわかります。もちろん斬新で素晴らしい仕事も多く、『アメリカン・ビューティー』なんて唯一無二の傑作ですが」とハリウッドを代表する作曲家たちについてとめどなく言葉があふれる。

 「彼らに比べると僕なんて鼻たれ小僧同然です」と謙遜しながらも、『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』では「静寂も映画音楽の一部として扱った」と自信を覗かせた。(取材・文:村山章)

最終更新:5/15(月) 10:10
シネマトゥデイ