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神戸大の軍事研究、指針明確に 教授ら学長に要請

神戸新聞NEXT 5/15(月) 18:27配信

 神戸大の教授、准教授ら職員有志22人が、軍事転用が懸念される研究の取り扱いについて、学内の指針を明確にするよう求める要請書を武田廣学長に提出した。同大では2007年以降、米軍から研究費として約6千万円の提供を受けたとされるが、学内でも詳細は明らかにされておらず、経緯や大学としての見解を公表することも求めている。要請は11日付。

 軍事研究を巡っては、防衛省が15年度から、軍事応用可能な基礎研究に資金を助成する公募制度を開始。当初3億円だった予算は、17年度に100億円超にまで膨らんだ。一方で、国が支給する国立大の運営費交付金は減少している。

 科学者の組織「日本学術会議」は今春、防衛省の公募制度について「政府による介入の度合いが大きい」とする声明を決定。「大学などは研究の適切性を審査する制度を設けるのが望ましい」とし、軍事研究の拒否を掲げた1950年と67年の声明を継承する考えも示した。

 神戸大職員有志の要請は、「人類の幸福や世界平和への寄与」をうたった同大の研究憲章や日本学術会議の声明を踏まえ、多様な議論を図った上で、軍事研究を巡る学内の方針を明確化するよう注文する。また、米軍からの研究費受け入れについては「遺憾」とし、研究成果がその後、軍事目的に転用されていないか調査の徹底を申し入れた。

 要請の世話人で、神戸大大学院国際文化学研究科の塚原東吾教授(科学史)は「科学技術には一般向けにも軍事用にも使える二面性があるのは確かだが、『だから問題ない』というのは違う」と強調。「単にダメと主張するだけでは説得力がなく、新しい歯止めの仕組みを考えていきたい」としている。

 防衛省の公募制度については、関西大や広島大、長崎大、琉球大などが事実上応募しない方針を打ち出している。(田中陽一)

最終更新:5/15(月) 19:37

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