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「5分の充電でスマホが8時間使える」イスラエルの高速充電バッテリー技術

ZUU online 5/15(月) 17:10配信

「5分でスマホの充電完了」という夢のようなバッテリーを、イスラエルのスタートアップ、Storedot が開発した。

短時間の充電で8時間スマホが使える。同様の高速充電技術は米国などでも進んでおり、安全性が確立されれば、将来的にはスマホなどの小型デバイスだけではなく、電気自動車などに必要な大型バッテリーの高速充電も可能になると期待されている。

■通常の高速バッテリーの10倍の速度で充電

「FlashBattery Power Bank」 という名称の次世代バッテリーは、全米民生技術会がラスベガスで開催したイベント、「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で発表された。

通常の高速バッテリーの10倍の速度で充電できるため、「今すぐ電話をする必要があるのに、スマホのバッテリーがない」といった緊急の事態に対応してくれる。

高速充電には専用の充電器「FlashCharge(150W)」が必要になるが、時間に余裕のある時には手持ちの充電器やUSBを使って充電できる点も嬉しい。バッテリー、充電器ともにコンパクトかつシンプルなデザインで、持ち運びにも便利だ。

またiPhone 7には専用の高速充電ケースも発売している。一般的なケース同様、iPhoneにセットして「FlashCharge」で充電するだけで、高速充電だけではなく、衝撃から本体を保護するプロテクターの役目も果たしてくれる。

■高速充電がバッテリーの寿命を縮める?

この賢い充電技術を開発したStoredot は、2012年、イスラエルで設立されたハードウェア・スタートアップ だ。高速充電のほか、高分子LEDの開発なども手がけている。

英BBCの情報によると、2014年に最初の試作品 を発表して以来、バッテリーや充電器大きさや充電容量などに改善を加えてきた。「2017年販売開始」という当初の目標から若干遅れるものの、2018年初旬の製造開始を予定している。

しかし高速充電技術のリスクに、疑問を唱える声も聞こえてくる。CCS Insightのテクノロジー・アナリスト、ベン・ウッド氏は、Storedotによる試作品段階から、高速充電技術の安全性を懸念していた一人だ。

ウッド氏は大量の発熱を生じさせる充電法が、バッテリーにかける負担を指摘。高速充電がバッテリーの寿命を縮めたり、あるいは事故につながるリスクがクリアされる必要性があると主張している。充電の高速化を図るうえで、安全性の確立は必須となりそうだ。

■米発高速充電技術「Quick Charge 4.0」にも注目

同様の高速充電技術は、米通信および半導体技術企業、Qualcommも開発している。昨年発表された最新版「Quick Charge 4.0」 では、電流・電圧・温度コントロールが可能になっているほか、過充電防止機能も搭載されている。安全面では、ウッド氏の合格ラインに達しているようだ。

「Quick Charge 4.0」と同時発売されたスマホ向けSoC(集積回路製品)「Snapdragon 835」に 組みこまれており、前シリーズ「Quick Charge 1.0、2.0、3.0」と比較すると、充電時間が20%高速化されているという。

またiPhone 7シリーズに搭載されている「A10 Fusion」よりも速いとされているが、微細化技術で低消費電力を実現している。こうした高速充電技術は、今後さらなる進化を遂げていくだろう。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

最終更新:5/15(月) 17:10

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