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日本郵政が野村不動産HDの買収検討 不動産活用のノウハウ吸収が狙い?

5/15(月) 17:10配信

ZUU online

日本郵政 <6178> が野村不動産ホールディングス <3231> を買収する検討を行っていると、複数の報道機関が報じた。野村不動産HDは不動産大手5社の一角に名を連ね、時価総額約3900億円の大企業である。日本郵政は保有不動産の活用に向け、ノウハウを持つ野村不動産HDに白羽の矢を立てた格好となる。

■2兆円規模の保有不動産の活用へ

日本郵政と言えば、2015年5月に買収した豪物流最大手トール・ホールディングスにかかる4000億円の損失計上を4月に発表した事が記憶に新しい。5月15日に予定されている2017年3月期の決算発表では400億円の連結最終赤字を予定している。

日本郵政は15年11月に上場したものの政府の保有比率はまだ80%程度あり、政府保有比率が33%程度となるよう追加売出しを行う必要がある。売出しの規模は上場時の2倍以上の規模となり、市場への売出しをスムーズに行う為には、日本郵政の成長期待が高まる事が必要となる。

物流事業の次の手となるのが、保有不動産の活用を加速する戦略となるようだ。日本郵政の保有不動産は2兆円近くに上る。全国に2万以上ある郵便局の他、駅前の一等地にも多くの土地を所有する。東京駅や名古屋駅に「JPタワー」と呼ばれる賃貸高層ビルを建て、商業施設「KITTE」の運営も行っている。実績は少ないが住宅事業も手掛けている。こうした保有不動産を更に有効活用する為、野村不動産HDに目を付けたと見られる。

■問題は資金面では無く、株主説得と企業文化?

野村不動産HDは主力ブランド「プラウド」を始めとする住宅事業に強みを持ち、大手不動産5社の一角に数えられる。2017年3月期の連結売上高は5696億円、連結営業利益は772億円。日本郵政の期待する不動産事業のノウハウは十分に保有している。

同社の株式は証券最大手野村ホールディングス <8604> 傘下の野村土地建物が33%超を保有しており、買収協議も同社と行う模様である。買収はTOBの実施が有力と見られるが、野村不動産HDの時価総額は約3900億円であり、買収にはそれ以上のコストが掛かる可能性が高い。

日本郵政は2016年3月末時点で連結総資産292兆円、連結純資産15兆円を誇る。今回の買収もビッグディールではあるが、日本郵政の資産規模で見ると、資金面での問題は無いと見られる。問題は適正価格での買収交渉をまとめられるかであろう。豪トール・ホールディングスの減損を受け、企業買収に対する株主の批判は高まっている。豪トール・ホールディングスについては、適正価格を大きく上回る価格で買収した事が減損の原因であると指摘する声もある。こうした批判もあり、今回の買収も慎重に進めていく必要がある。一部の株式取得に留める可能性も考えられる。

企業文化の違いを不安視する声もある。民営化されたものの、現在も80%程度の株式を政府が保有している日本郵政と大手不動産会社では企業文化に大きな違いがあり、融合は難しいという指摘である。こうしたソフト面での買収の障害も今後の課題となる。

今回の報道を受け、日本郵政、野村不動産HDとも現時点で開示すべき事項は無いとしプレスリリースを行っている。交渉を行っている事は事実のようであるが、交渉は初期の段階であると見る報道が多い。一方今回のビッグディールに市場の期待は高まっている。SBIジャパンネクスト証券の運営する私設取引システム(PTS)の12日の夜間取引では野村不動産HDの株価が同日東証終値の24%高となる2520円、日本郵政も同15%高となる1600円まで上昇する場面があった。15日からの東証での値動きも期待先行となる可能性もある。ビッグディールの行方に多くの注目が集まる。(ZUU online編集部)

最終更新:5/15(月) 17:10
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