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<福鉄・えち鉄>初の「軌道」と「鉄道」乗り入れ好調 福井

毎日新聞 5/15(月) 9:59配信

 福井県内の福井鉄道とえちぜん鉄道が昨年3月27日に越前武生駅(越前市)-鷲塚針原駅(福井市)の約27キロ区間で相互乗り入れを始めて1年が過ぎた。両鉄道は田原町駅(福井市)で交わる。乗り換える手間が省けたことで利便性が向上。福井市中心部に集中する6高校の生徒を中心に利用者が増えた。全国初の「軌道」(福鉄)と「鉄道」(えち鉄)の乗り入れとして注目された事業は順調な滑り出しだ。【立野将弘】

 ◇生徒に“人気”

 今月9日、記者は福鉄福武線越前武生駅午前6時51分発の各駅停車に乗車した。道路上の軌道も走る路面電車で、行き先はえち鉄三国芦原線福大前西福井駅。啓新高や福井商高に近い同駅には午前7時52分に到着した。その際、電車には約70人が乗っていたが、学生服を着ていなかったのは数人のみだった。

 以前は田原町駅で乗り換える際、通勤・通学時間帯で最大17分待つ必要があり、田原町駅で下車して高校へ歩く生徒も多かった。今では待ち時間が無くなり、駅から歩く時間も約10分間短縮した。

 県並行在来線対策室の平林透室長は「福大前西福井駅で下りる乗客が倍増した」と指摘し「朝の忙しい時間帯に乗り換えなしで行けるインパクトは大きかった」と驚く。

 ◇利用者2.7倍

 県によると、田原町駅をまたいで両鉄道を利用した昨年度1年間の人数は前年度より8万3500人増(2.7倍)の13万2600人。目標の5万人増を大きく上回った。通学定期の発行枚数は1年間分として換算すると1118枚となり、前年度比2.85倍。1カ月30日を往復乗車したと仮定すれば、定期を利用した生徒は6万7080人に上る。

 えち鉄全体の昨年度の利用者数は前年度比2.8%増の355万8628人。担当者は「公共交通機関の長所を見直す動きもあった」と分析する。新年度スタートとなったため通勤・通学に電車を利用する人が増えたり、雪の影響で渋滞が発生する冬に車から切り替えたりする傾向が見られたという。福鉄はまだ昨年度利用者数を公表していないが、担当者は「確実に増加している」と明かす。

 ◇次の課題は?

 さらに利用者を増やすにはどうしたらいいのか。乗り入れ電車は朝夕は通勤・通学客で混雑しているが、単線区間があることなどから増便は難しいという。そのため、「昼間や休日の掘り起こし」(えち鉄担当者)が課題だ。

 両鉄道は今年3月、福井駅前の店舗と協力して、特定の乗車券を掲示すると商品が割り引かれるサービスを始めた。えち鉄の担当者は「福鉄と一緒に新たなツアーも企画したい」と意欲を示している。

最終更新:5/15(月) 9:59

毎日新聞