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高峰秀子の子役時代のフィルム発見 所在不明の無声映画

朝日新聞デジタル 5/15(月) 10:42配信

 「浮雲」「二十四の瞳」など多くの名作に出演した昭和を代表する名優・高峰秀子が、子役時代に出演した無声映画「私のパパさんママが好き」(1931年公開)のフィルムが見つかった。長らく所在が不明だったが、インターネットのオークションサイトに出品されたフィルムを、東京都の活動写真弁士の片岡一郎さん(39)と坂本頼光さん(37)が共同で落札した。

【写真】1931年に公開された「私のパパさんママが好き」(片岡一郎さん提供)

 監督は「愛染かつら」で知られる野村浩将(当時は野村員彦)で、松竹キネマ蒲田撮影所(東京都大田区)で撮影。高峰は29年に5歳で映画デビュー後、ハリウッドの名子役シャーリー・テンプルと比較される天才子役として人気を博していた。主演は戦前の喜劇映画や小津安二郎監督の初期作品の常連だった斎藤達雄。子役には小津の「生れてはみたけれど」で知られる突貫小僧も出演しており、当時の2大子役が共演する貴重なシーンが記録されている。

 片岡さんと坂本さんは先月、同フィルムを落札。劇場版映画を家庭向けに短縮・再編集した9・5ミリ版で、15分程度の映像。保存状態は良く、国内最大規模のフィルム保管庫がある東京国立近代美術館フィルムセンターにも所蔵されていないという。大阪芸術大の太田米男教授(日本映画史)は「戦前の映画フィルムの現存率は低く、貴重な発見。高峰秀子と突貫小僧の他に斎藤達雄の姿もあって興味深い」とする。

 高峰の養女の斎藤明美さん(61)は「喜ばしいニュース。非常に貴重なフィルムで、母が生きている時に見せてあげたかった。ぜひ多くの人が見られる機会を作ってほしい」と話す。片岡さんは「映画祭などで広く公開したい」としている。(伊藤恵里奈)

朝日新聞社

最終更新:5/15(月) 11:14

朝日新聞デジタル