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須貝尚介調教師“マツパクブランド”をGI馬に

夕刊フジ 5/15(月) 16:56配信

【甘辛戦記】ヴィクトリアマイル

 競馬は記憶力のゲーム-そんな使い古されたフレーズがズシリとのしかかるGIだったといえるかもしれない。ヒントはアドマイヤリードの出身厩舎。そう、須貝尚介調教師(50)のもとに来る前は、ベガ、ブエナビスタなど数々の名牝を輩出した松田博資厩舎(昨年2月に定年で解散)に籍があったのだ。

 マツパク厩舎では新馬戦から阪神JFまでの4戦。セレクトセールで4830万円で取引されたようにもともと期待は高かったものの、当時は400キロを切るギリギリの体。マツパク特有のCWコースでのハードトレを課せないなかでも2勝を重ねた事実が、確かな素材だったことを証明している。

 もっとも、潜在能力の高さはお墨付きだったとしても、精神状態が不安定な超小兵を託された須貝調教師も相当に苦労したはず。3冠路線は(16)(5)(15)(7)着と結果を残せず、「春に松田さんから引き継いだけど、ウチとは調教のやり方が違っていたので、馬が戸惑っていた」と、苦しかった時期を淡々と振り返る。

 ただ、素質あるサラブレッドは待ち続ければ成長していく。昨年10月の堀川特別から前走のサンスポ杯阪神牝馬Sまで(2)(2)(1)(1)(2)着と一気に軌道に乗った。体も420~30キロ台をキープできるようになり、「ひと夏を越してようやくウチの調教に慣れてきた。結構難しいタイプだったので、精神的に成長した面も大きい。まず松田さんにお礼を言わせてもらいたい」。

 未完成の“マツパクブランド”を自らの調整法でGI馬に仕立て上げたとあって、何か自信めいたものを感じたのは記者だけではあるまい。それくらい須貝調教師にとっては貴重な1勝といえそうだ。(石沢鉄平)

最終更新:5/15(月) 17:05

夕刊フジ