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アカマツの自生促進へ本腰 浜松・県立森林公園

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 5/15(月) 17:30配信

 静岡県内で唯一アカマツの群落がありながら、松枯れが進む浜松市浜北区の県立森林公園で、従来の保全だけでなく、アカマツの再生に向けた取り組みが進み始めた。県は技術開発などの具体的な計画を8月に策定する。指定管理者「フォレメンテあかまつ」(同区)は本年度、自生を促進する活動に乗り出す。

 5月中旬、県職員ら8人が草地化した園内の斜面で、自生するアカマツの苗の生育状況を確認した。これが計画策定に向けた最初の調査。草地は枯れたアカマツを切り倒して駆除した場所だった。県森林・林業研究センターが2015年に新たに設定した試験地で、苗は同センター関係者が17年2月に観察した際の高さ数センチから、約10センチに成長していた。

 県環境ふれあい課や西部農林事務所、同センターなどは調査を重ね、アカマツ林を復活させる技術や、県民参加型の森づくりの計画を立てる。同課の河合征彦課長(57)は「魅力ある森林を未来に継承する」と意気込む。

 フォレメンテあかまつは15年度から3回、アカマツ密集地で自生した苗を草地に植え替える作業を行ってきた。17年度は草地の枯れ葉などを除去し、苗の成長を促す活動を予定。職員以外の個人や団体にも協力を呼び掛け、森林再生への理解を広める。伊藤副武事務局長(63)は「豊かな林になり、より多くの人が訪れる公園にしたい」と話す。

 県によると、松くい虫駆除の薬剤をヘリコプターからまく空中散布は年に一度行うが、震災などの影響で中止する年もある。薬剤を散布しても夏の暑さでアカマツが衰弱することもあり、森林を維持するには保全以上に再生活動が必要という。

 

 <メモ>松枯れは、輸入木材にすんでいた松くい虫がカミキリムシに寄生しながら、アカマツの樹体内に入って衰弱させてしまうのが主な原因で、戦後に広がった。県は県立森林公園215ヘクタールのうち、中央部約80ヘクタールで約20年、空中散布を実施。2009年、松枯れが改善していたことなどを理由に地上散布に切り替えると、被害が拡大した。10年に空中散布を再開したが、11年に東日本大震災の影響でヘリコプターを運用できずに空中散布を中止。松枯れが進んだ。

静岡新聞社

最終更新:5/15(月) 17:30

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS