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東芝の半導体売却差し止め請求=国際仲裁裁に、再建計画停滞も―米WD

時事通信 5/15(月) 8:30配信

 【ニューヨーク時事】東芝の記憶用半導体フラッシュメモリー事業の売却をめぐり、合弁相手の米ウエスタンデジタル(WD)は14日、国際商業会議所(ICC、本部パリ)の国際仲裁裁判所に対し、WDの同意のない事業売却の差し止めを申し立てたと発表した。

 東芝は経営再建に向けて年度内の売却による資金確保を目指しているが、今回の法的措置によって売却交渉が停滞する恐れもある。東芝の再建計画の先行きは一段と不透明になった。

 WDはメモリー事業取得に向けて1兆6000億円程度を提示しているが、2兆円を超える金額を提示した他陣営に比べて劣勢に立たされている。このため、入札方式での売却は提携契約に違反するとして東芝に独占交渉権を求めたものの、反発した東芝がWD社員の合弁工場(三重県四日市市)への立ち入りを遮断すると警告するなど、両社の対立が深まっていた。

 WDのミリガン最高経営責任者(CEO)は声明で「われわれの同意なく合弁会社の権益を分離し、それを売却することは明らかに禁じられている」と強調。その上で「(仲裁の申し立ては)問題解決に向けた最初の選択肢ではなかったが、その他の試みが全て失敗に終わった今、次の段階として法的措置が必要だと考えている」と述べた。

 仲裁裁判所が実際に事業売却を差し止めるかどうかは不明だが、今回のWDの申し立てを受け、交渉が頓挫するリスクを抱えることになる他陣営が入札方針を見直す可能性もありそうだ。

 東芝は15日、「契約に抵触する事実はなく、WDがそのプロセスを止める根拠はないと考える」とのコメントを発表した。半導体事業の分社化と売却について「正当に実施している」と主張。提訴に関しては「仲裁申し立ての内容がまだ届いていないので、コメントを差し控える」と説明した。 

最終更新:5/15(月) 11:19

時事通信