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痛っ!稀勢の里、やっぱり左使えず嘉風に完敗「相手が強かった」/夏場所

サンケイスポーツ 5/15(月) 7:00配信

 大相撲夏場所初日(14日、両国国技館=観衆1万816)初場所(1月)の初優勝から3場所連続優勝を狙う横綱稀勢の里(30)は、小結嘉風(35)の右からの攻めに抵抗できず、押し出された。3月の春場所中に痛めた左上腕部、左大胸筋の負傷が癒えていない状況を露呈した。横綱2場所目。番付最上位の「東の正位」に座った稀勢の里にとって、東京開催は初のお目見え。昭和12年夏場所の双葉山以来80年ぶりとなる初優勝からの3連覇が懸かった場所の初日、満員御礼となった館内は心配と落胆に包まれた。

 固唾(かたず)をのみ込んだ、館内の空気が固まったまま動かない。

 今場所、国内出身横綱として16年ぶりとなる番付最上位「東の正位」に就いた稀勢の里に初日から土がつく。それも、抵抗できず、あっけなく…。結びの一番。横綱の黒星。いつもなら乱舞するはずの座布団が、数枚しかみえない。そんなことより、ファンは横綱の負傷の様子が気がかりだったのだ。

 「(動きは)悪くなかったけど、相手が強かったから負けた。相手が上回っただけじゃない」

 横綱は淡々と口を開いた。稀勢の里にとって、東京場所は初お目見え。だが、横綱であっても生身の体に嘘はつけない。今場所も、左肩から胸にかけて巻かれた肌色のテープを外すことはできなかった。

 新横綱だった3月の春場所13日目に左上腕部などを負傷しながら残る2日間を強行出場。千秋楽に劇的な逆転で賜杯を抱いたが、「左大胸筋損傷」「左上腕二頭筋損傷」と大きな代償を払った。約1カ月の療養は必要と診断され、4月の春巡業は全休。関取衆と相撲を取り始めたのは場所直前の6日から。5日間連続の出稽古で急ピッチに仕上げたものの、手探りで本場所を迎えた。

 立ち合い。嘉風の当たりを左胸で受け止めた。だが、右から強烈におっつけられ、負傷の影響が残る左腕が機能不全に陥った。体勢が起きて後退。押し出された。「(おっつけを)我慢できればね…。あしたから切り替えてやる」。

 この日は「母の日」。父・萩原貞彦さん(71)によれば、稀勢の里は15歳で大相撲入りしてから「メモリアルの日に贈り物をする慣習はない」。茨城・牛久市の実家に戻った際に、さりげなくプレゼントを置いて帰る。最近では横綱昇進を決める1月の初場所前には母・裕美子さん(62)へ。綱を巻いてしばらくしてから貞彦さんへ。事前に好みのデザインをたずね、高級時計「グランドセイコー」を贈っている。

 2日目は、通算17勝3敗の平幕隠岐の海(31)と対戦する。時計の針は、これからなお14日間のときを刻む。立て直す時間は、まだ十分にある。

最終更新:5/15(月) 7:00

サンケイスポーツ