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韓国政権移行期の隙突いた北ミサイル NSC出席は前政権閣僚ら

産経新聞 5/15(月) 7:55配信

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日、初の国家安全保障会議(NSC)を招集し、「断固たる対応」を強調した。ただ、顔をそろえたのは、安全保障政策で対立するはずの朴槿恵(パク・クネ)前政権の閣僚たち。北朝鮮は政権移行期の隙を突いて挑発に出たともいえそうだ。

 文氏は午前7時にNSCを緊急招集した。対北融和姿勢を不安視する声が上がる中、対北安保に即座に対応する姿勢を示した形だ。

 だが、状況を報告した金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長をはじめ、韓民求(ハン・ミング)国防相や尹炳世(ユン・ビョンセ)外相ら出席した大半は朴前政権の閣僚らだった。文政権は組閣ができておらず、与党「共に民主党」が外交・安保政策で批判してきた高官らと緊急課題を協議せざるを得なくなった。

 東国(トングク)大の金榕●(ヨンヒョン)教授(北朝鮮学)は「北朝鮮は、文政権の外交・安保ラインが出来上がっていない状況でどう対応するかを見定めようとしたのだろう」と分析する。米韓がともに対話と圧力で軸足が定まらない中、「ミサイル能力を示し、今後の交渉を優位に進めようとした」ともみる。NSCで文氏は北朝鮮のミサイルに備え、韓国型ミサイル防衛(KAMD)体系の推進について指示した。

 一方、前政権が対北抑止の柱としてきた米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備に関しては、就任前、「次期政権で決定すべきだ」と主張。与党内でもTHAADでは首都圏は守れないと否定的見方が強く、防衛策についても方向が定まっていない。金教授は「発足間もない文政権が現実的に取り得る行動は限られている」と指摘している。

●=火へんに玄

最終更新:5/15(月) 11:26

産経新聞