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一帯一路会議 日本、「商機」と「脅威」のジレンマ

産経新聞 5/15(月) 7:55配信

 中国の「一帯一路」構想への協力について、日本は依然、慎重姿勢を崩していない。中国の中東欧での影響力増加や軍事面での膨張の手助けにつながりかねないからだ。ただ、緊迫する北朝鮮情勢に対する連携強化や巨大なインフラ市場の取り込みなどを考慮すれば、得られる利益の大きさも無視できない。中国との距離をどう保つか、日本は大きなジレンマを抱える。

 一帯一路構想ではアジア全域の陸と海のインフラを中国に直結し、中華経済圏の構築を目指す。しかし、インフラ整備には南シナ海、インド洋、中東沖など広範囲での中国の軍事拠点化を促すとの懸念もある。中国主導で創設したアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、その資金供給の役割を担うとされる。

 一方でアジアから中東、アフリカ、欧州に及ぶ広域のインフラ整備は日本企業にとっても大きな商機となる。日米主導のアジア開発銀行(ADB)が今後15年間で26兆ドル(約2900兆円)と見込むアジアのインフラ需要は魅力的だ。ADBの中尾武彦総裁も「良いプロジェクトがあれば(一帯一路に)協力する余地はある」と理解を示す。ただ、旺盛なインフラ需要に中国はスピード感を重視して対応しており「高い技術が必要ない道路舗装など簡単な工事は、日本勢に勝ち目はない」(国際経済調査機関幹部)と指摘される。日本が目指す「質の高いインフラ」の輸出が受け入れられる余地は少ないとの見方もある。

 米国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱を決め、多国間貿易協定を推進する日本にとっては中国主導で日中韓などが参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の重要度も増しており、難しいかじ取りを迫られそうだ。(西村利也)

最終更新:5/15(月) 7:55

産経新聞