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保土ケ谷球場名物!“隼人園芸”トンボ掛けの秘密 横浜隼人は全部員マイトンボを所有!

スポーツ報知 5/15(月) 11:03配信

 トンボと呼ばれるレーキを手に、腰を低く落とす独特の構えから土をきれいにならしていく横浜隼人(神奈川)のグラウンド整備は、高校野球ファンから“隼人園芸”と呼ばれて親しまれている。この整備法が生まれたきっかけ、効果、トンボの掛け方を同校の水谷哲也監督(52)や選手に聞いた。(秋本 正己)

 お尻が地面につきそうになるくらい腰を低く落とし、リズミカルにトンボを操ってグラウンドをきれいにならしていく。その間3分弱。てきぱきとした独特の動作に客席から歓声が送られる。

 高校野球ファンが神奈川の“聖地”と呼ぶサーティーフォー保土ケ谷球場。ここで行われる県大会のグラウンド整備を担当するのが横浜隼人の野球部員だ。その鮮やかなトンボさばきは、甲子園のグラウンド整備を受け持つ阪神園芸をもじって“隼人園芸”と呼ばれて親しまれている。

 「パフォーマンスとかではないんですよ」と、生みの親でもある水谷監督は苦笑する。このトンボ掛けを始めてから15年ほどになるという。現在、部員142人(3年46人、2年48人、1年48人)の同部だが、以前から大所帯。「部員が多いので、選手がボサッとする時間をなくそうというところからスタートしました。グラウンドにいる時はプレーにつながる動作をしていこうと、整備の時も腰を低く落として下半身を強化しようということになったんです」と誕生の経緯を説明してくれた。

 両足を肩幅よりやや広いくらいに広げ、重心を落として太ももの裏側と地面が平行になるようにすることで、股関節を柔らかくしてお尻の筋肉を鍛えようとするのが狙い。グラウンドもきれいになり、下半身も強くなる。下原敬吾主将(3年)は「整備自体は目的で、下半身も強くなるんです。1回の整備だけでもハードで、トレーニングの一環になります。一石二鳥です」と効果を口にする。

 そもそもは15年前に同校の部員が保土ケ谷での整備を担当することになった時、自校のグラウンドと同じようにトンボを掛けたため、広まっていったという。バラエティー番組でも取り上げられ、いつしか全国区に。

 「ファンの方から見てもらっているのは選手だけではない。そういうポジションをまっとうしていると、声をかけてくれたり応援してくれるんです」と水谷監督。狙いはまだある。「部員が多い中、試合に出ている選手に少しでもプレッシャーを与えることにもなるんです。試合中の整備時、メンバーは見ていますから」。独特の整備にはさまざまな意図が込められている。

 同部は部員全員が“マイトンボ”を持っている。入部するとホームセンターで1300円の組み立て式の園芸用レーキを購入。3年生の整備リーダーが1年生に隼人式の掛け方を教えていく。「自分たちの誇り。伝統としてやっていきたいです」と下原主将。“隼人園芸”は脈々と受け継がれていく。

 〈隼人式のグラウンド整備とは〉

 整備リーダーの佐々木健斗(3年)が説明してくれた。

 〈1〉構え 腰を落として、太もも裏と地面を平行に。地面のでこぼこを探すため、目線は低く。トンボを持ちやすくするよう、手の甲は上に向ける。

 〈2〉動かし方 押す時は早く、引く時はゆっくり。意識することを声に出しながらトンボを掛けていく。

 〈3〉整備の流れ 「さあ、整備行こう」というかけ声でトンボを手に持ち場へダッシュ。三塁線から扇状にかけていって一塁線へ。走路で荒れている部分をならす。一塁へ到達したら二塁、三塁、本塁など各ポジションに分かれて整備する。

 目標の整備時間は2分30秒。甲子園と同じ時間に設定している。自校での整備ではBGMに春は「今ありて」、夏は「栄冠は君に輝く」と大会歌を流す。これも甲子園での戦いを想定してのものだ。

 「拍手をいただいたり声援をいただけるとうれしくなります。責任感、誇りを持ってしっかりやっていきます」と佐々木は言葉に力を込めた。

 ◆8季連続で8強、8年ぶりの聖地へ

 横浜、東海大相模など強豪校がひしめく全国屈指の激戦区・神奈川。2009年夏、初出場を果たした横浜隼人だが、最近は8季連続ベスト8。常に上位へ顔を出しているが、頂点は遠い。「そこからの壁がなかなか破れなくて…」と水谷監督。新チームになってからは秋、春ともに桐光学園に敗れている。「いつも通りにやっていることができませんでした。細かいミスをなくして、いかに練習通りにできるかだと思います」と下原主将。142人が一丸となって、8年ぶりの聖地を目指す。

最終更新:5/15(月) 11:03

スポーツ報知

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