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十津川村、住民サービス機能を集約 安全な場へ集落再編

産経新聞 5/15(月) 15:07配信

 奈良・和歌山・三重の3県で72人が死亡、16人が行方不明となった紀伊半島豪雨では、紀伊半島全体で約3千カ所の土砂崩れが発生した。東京ドームの約80倍にあたる計約1億立方メートルの土砂が崩壊。奈良県内では、うち9割にあたる約8600万立方メートルの被害があった。

 面積約672平方キロメートルの十津川村は、約96%が山林の「日本一広い村」。55ある集落の半分は存続が困難な「限界集落」で、豪雨前は4千人を超えていた人口は現在3427人。65歳以上が約43%を占める。土砂崩壊による孤立集落や独居高齢者の避難など、災害は村の課題を改めて浮き彫りにし、過疎化に拍車をかけることになった。

 こうしたことを踏まえ、村は復興の次の段階として「集落の再編」を目指し、災害に強い居住地に福祉や医療など、住民サービスの機能を集約させようと「高森のいえ」プロジェクトを平成24年度に計画。村によると、住民により安全な場所への“村内移住”を提案した取り組みは、全国でも珍しいという。

 プロジェクトに携わった京都大学工学研究科建築学専攻の三浦研教授(47)は「将来的な集落の全体像を踏まえた上で、福祉の観点も取り入れた画期的な取り組み。単なる復興住宅にとどまらず、集落が持続的に発展する拠点機能を備えており、災害が頻発する国において、他の自治体にとって、モデルケースになる」としている。

最終更新:5/15(月) 16:01

産経新聞