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<北朝鮮>米に攻撃警告 ミサイル「成功」 実験継続の恐れ

毎日新聞 5/15(月) 21:54配信

 【ソウル米村耕一】北朝鮮が北西部・平安北道亀城(クソン)一帯から14日朝に発射した弾道ミサイルについて、国営メディアは15日、「核弾頭装着が可能な新型の中長距離弾道ミサイル『火星12』の発射に成功」と一斉に報じた。「新たに開発されたロケットエンジンの信頼性が実際の飛行環境で再確認された」とも伝えており、北朝鮮メディアが金正恩朝鮮労働党委員長の業績として繰り返し報じている新型高出力エンジンを使った可能性が指摘されている。

 朝鮮中央通信によると、発射されたミサイルは高度2111・5キロまで上昇し、飛距離787キロを飛んで目標とする水域に着水した。この実験によって「過酷な再突入環境でも核弾頭爆発システムの動作性を確認した」とも主張した。

 実験に立ち会った金委員長は「米本土と太平洋の作戦地域がわれわれの打撃圏に入っているという現実を無視してはならない」と米国に警告したうえ、核・ミサイル実験の継続を関係機関に指示した。

 一方、金委員長は昨年9月と今年3月に「新型高出力エンジン」の地上燃焼実験を視察。3月の実験の際に「外国の技術を踏襲してきた依存性を完全になくした」と述べてエンジン技術の独自性を主張し「(その)意義を全世界が見ることになる」と語っていた。

 北朝鮮のミサイル開発に詳しい韓国・慶南大学の金東葉(キムドンヨプ)教授は「(今回のミサイルのエンジンの)直径や形状が3月に実験したものとよく似ている」と指摘。今回のミサイル発射が新型エンジンのものであれば、さらにミサイルの確実性を高めるための発射実験を繰り返す可能性がありそうだ。

 ◇ICBM開発、順調か

 北朝鮮が15日に新型地対地中長距離弾道ミサイルの発射実験に「成功した」と発表し、実験の写真を公開したことを受け、日本政府には、一定の技術的な進展があったとの受け止めが広がっている。防衛省幹部は「詳細な分析は必要だが、公表したということは一定の技術的成果があったとみられる」と解説した。

 航空自衛隊の元航空支援集団司令官の永岩俊道氏は今回のミサイル発射について「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の過程にあると見ていい。開発は北朝鮮側の思惑通り進んでいると見ざるを得ない」と述べ、米国本土を射程圏内に収めるICBM開発が着実に進んでいるとの見方を示した。

 ICBMに不可欠な能力としては、発射技術のほか、大気圏再突入時の弾頭部分の十分な耐熱性や強度、標的に確実に命中させる高精度の誘導技術などがある。永岩氏は「全ての課題を解決しているとは言えないが、ある程度コントロールされて発射運用されていることから見ると、相当なレベルの技術段階に至ったと認識をした方がいい」と警告する。【木下訓明】

最終更新:5/16(火) 11:00

毎日新聞