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崩壊コイ投を助けた奇跡の雨

5/15(月) 17:17配信

デイリースポーツ

 ゴールデンウイークの阪神3連戦(5~7日・甲子園)で9点差を大逆転されるなど屈辱の3連敗を喫した緒方カープは、続く神宮でのヤクルト3連戦も延長サヨナラ負けと12失点の大敗で負け越し。防御率4・11(11日時点)とリーグ最下位にまで沈み、虎に1・5差をつけられた。だが、眼下に迫っていた3位・巨人を地元マツダで連破し、何とか一息つけた。

 もちろん、エルドレッドや鈴木を中心とする打線の奮起(2試合で計19得点)に尽きるのだが、投壊状態の広島を助けたのは12日に降った雨だった。当日は東京遠征から帰って移動日なしの巨人7戦。予報では夕方から翌朝にかけて雨で、午後9時頃から本降りになるとのことだった。しかし、かなりの降水量を記録した3月31日の開幕戦(対阪神)でも試合時間を遅らせて決行するなど、今季マツダでの雨天中止は1試合もなく、疲労困憊(こんぱい)の赤ヘル軍団にとって辛い局面が予想された。ところが…。

 「カープの本拠地がドームじゃなくて良かったですね」。そう冗談交じりに話したのは広島OBで長らく中継ぎで活躍した野球評論家・横山竜士氏。当日は地元ラジオ局の中継ブースから状況を見つめていたが、試合開始直前で今季初の中止が決まって内心安堵したという。

 「甲子園で3連敗を食らってから神宮でもサヨナラ負けに始まり、大瀬良、福井と打たれた。先発、中継ぎ共に疲労が相当たまっていたと思います。そんな中で移動日なしの巨人戦。6日の試合で9点差を大逆転された時の先発・岡田もかなりプレッシャーがあったはずです。まして天気も悪い。1日の休養日があった巨人は敵地で10連勝中だったマイコラスが先発。どう見ても広島には分が悪かったですから…」

 悪条件が重なった12日の試合は、開始予定時間の午後6時を過ぎた時点で中止なった。当日の雨は午後5時頃から降り始め、翌日の深夜まで降って朝方にはすっかり上がっている。仮に2時間程度降り出しが遅ければ、普通に試合が行われていたはず。試合の結果は知るよしもないが、両軍の状態を考えれば広島苦戦は必至だっただろう。翌13日にはすっかり晴天となり、以降今週の天気予報でも広島に雨マークは一日もない。当日の試合を観戦する予定だったファンには申し訳ないが、まさにあの雨は文字通りの“恵みの雨”であり“奇跡の雨”だったと言える。

 野村以外、安定感に欠けていた広島の先発陣も、岡田と九里が続けて責任を果たし、何とか持ち直しに成功した。あす16日からは4位・DeNA、最下位・中日との6連戦に臨む。“甲子園ショック”を払しょくした緒方広島はここで態勢を整え、1・5差で首位を走る金本阪神に肉薄したい。(デイリースポーツ・中村正直)