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<自民党>「麻生・山東派」基本合意 7月にも第2派閥も

毎日新聞 5/15(月) 23:28配信

 自民党の麻生太郎副総理兼財務相と山東昭子元参院副議長、佐藤勉衆院議院運営委員長は15日、東京都内で会談し、7月にも新派閥を結成することで基本合意した。それぞれが率いる麻生派(44人)と山東派(11人)、佐藤氏のグループ(6人)が合流すれば、細田派(96人)に次ぐ第2派閥に膨らむ。党内勢力図が変わることで「ポスト安倍」の首相候補は戦略の練り直しを迫られそうだ。

 基本合意では、麻生氏が新派閥会長、山東氏が会長代行と決まった。麻生氏は会談後の記者会見で「単なる数合わせではない。きちんとした政策を立案しうる集団として磨く」と強調。新派閥結成は東京都議選(7月2日投開票)後を目指し、名称は今後詰めるとした。新派閥への不参加を表明する議員もいるが少数にとどまる見通しで約60人でスタートする。

 合流は麻生氏が主導。麻生氏は「政治の安定のためには、党内で『政権交代』が可能な2大派閥をつくる必要がある」と意義を強調してきた。麻生氏自身の首相再登板への意欲は消えていないとみられており、他派には「麻生氏が『首相の座』を狙っている」ことが新派閥結成の背景ではとの警戒感があった。また、山東派重鎮からは、三木派から連なる「リベラル派閥」がなくなり、保守色の強い麻生氏に実権が移ることへの懸念があり、協議は難航した。

 しかし、最終的には麻生氏への警戒よりも勢力を拡大し党内での発言力を強めるべきだとの意見が上回った。安倍晋三首相の閣僚・党役員人事は必ずしも派閥優先ではないが、参院人事などには細田、額賀両派を中心に決める仕組みが残る。こうしたケースで小派閥は意見が通りづらいことが、山東派や谷垣グループを離脱した佐藤氏らを後押しした。

 一方、石破茂元幹事長や岸田文雄外相は「ポスト安倍」戦略の見直しが必至だ。石破氏は2018年の総裁選に意欲を示し、連携相手として額賀派を念頭に置く。加えて「中間派と目される山東派や谷垣グループなどの取り込みを狙う」(派閥中堅)との考えだったが、無派閥議員が「頼みの綱」となる苦しい展開になりそうだ。

 岸田氏の岸田派には、首相が出馬するとみられる18年総裁選は避け、21年の立候補を目指すべきだとの意見が多い。麻生氏とは「合流はなくとも、連携は必要」(同派幹部)とのスタンスだ。ただ、新派閥は岸田派の人数を超えるため、連携の主導権が麻生氏に移りかねないことへの懸念を強めている。【小山由宇、高橋恵子】

 ◇旧三木派、歴史に幕

 山東昭子元参院副議長が率いる「山東派」は、1956年に結成された三木武夫元首相、松村謙三元文相の「松村・三木派」(64年から三木派)の流れをくむ。三木、海部俊樹の両首相を出した名門だが、合併すれば半世紀以上に及ぶ歴史の幕を閉じる。

 三木氏は田中角栄元首相の退陣後に首相に就き、「金権政治の打破」を訴えた。リベラルを掲げたことでも知られ、その系譜は、河本敏夫元通産相の「河本派」、高村正彦副総裁の「高村派」、大島理森衆院議長の「大島派」に受け継がれた。

 山東氏は2015年に会長に就任。党史上初の女性の派閥領袖(りょうしゅう)となった。【小山由宇】

最終更新:5/16(火) 2:18

毎日新聞