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影響力拡大、内外にアピール=「一帯一路」覇権主義に警戒も―中国

時事通信 5/15(月) 19:44配信

 【北京時事】15日閉幕した中国主導のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議は、トランプ米政権が「米国第一主義」を掲げる中、中国が経済力を背景に国際社会での影響力拡大を内外に誇示する舞台となった。

 中国は各国との「ウィンウィン(相互利益)」を強調するが、中国を中心としたかつてのシルクロード復活の動きには覇権主義の色彩がぬぐえず、警戒も高まる。

 習近平国家主席は閉幕後の記者会見で「一帯一路は全面的に展開する新たな段階に入った」と成果を発表した。今年の最重要イベントと位置付けた会議の成功をアピールすることは、今秋に共産党大会を控える習主席にとり、2期目に向け権力掌握を進める上で後押しとなる。

 開幕式の演説で習主席は他国への内政干渉や発展モデルの押し付けを否定。「一帯一路で地政学的な駆け引きをする意図はない。協調的に共存する大家族をつくりたい」と、中国の拡張主義に対する各国の懸念を念頭に融和的な姿勢を強調した。

 一方で中国は「中華民族の偉大な復興」を目指し、習主席が唱えた「中国の夢」の構想の下、海洋進出を進め、南シナ海の軍事拠点化など自国の権益を拡大する動きも見せる。一帯一路には「こわもて」の側面を薄める狙いもあり、会議には領有権問題を抱えるフィリピンのドゥテルテ大統領らを招き、東南アジア各国との協調を訴えた。

 ただ、中国が一帯一路の「旗艦事業」として友好国パキスタンと進める中パ経済回廊への反発からインドが政府代表団派遣を見送るなど、ほころびも浮き彫りになりつつある。インドは同回廊がパキスタンとの係争地であるカシミール地方を通ることを懸念。中国はインドやミャンマー、バングラデシュを含む経済回廊の建設を目指すが、今後の不安材料となりそうだ。 

最終更新:5/15(月) 19:50

時事通信