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「一帯一路」対応に変化も=首相側近ら派遣、米中取引を懸念

時事通信 5/15(月) 20:01配信

 中国の「一帯一路」構想をめぐり、安倍政権は北京で開かれた国際フォーラムに自民党の二階俊博幹事長や安倍晋三首相側近を派遣するなど、従来の姿勢に変化を見せている。

 これまでは中国の覇権主義を警戒し、構想に批判的な考えを示してきたが、貿易問題で対立してきた米中が手を握り、はしごを外されることへの懸念があるようだ。

 「中国の底力を世界に示す意味で、大成功だった」。二階氏は15日、鍾山商務相と北京で会談し、フォーラムの「成功」を共に喜んだ。

 政府はこれまで習近平国家主席が提唱した一帯一路構想について「中国の拡大路線に手を貸すことになる」と批判的だった。その資金調達を行うアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも参加を見送った。

 ところが、今回は「首脳級」として親中派の実力者である二階氏派遣を決め、習氏宛ての親書も託した。首相側近の今井尚哉首相秘書官も送り込み、「中国側へのメッセージ効果」(外交筋)を狙った。AIIBについても、首相は15日、条件付きながら参加を前向きに検討する意向を表明した。

 北朝鮮の核・ミサイル問題で中国との関係強化が欠かせない事情もあるが、米国が中国との貿易不均衡問題の具体策で合意するなど、米中が歩み寄りを見せ始めたことが大きい。トランプ米政権が今後、北朝鮮問題で中国の譲歩を引き出そうとするあまり、一帯一路構想でカードを切れば、「日本は置き去りにされる」(政府関係者)との不安がある。

 ただ、政府は今回、招待された世耕弘成経済産業相ではなく、松村祥史経産副大臣の派遣にとどめるなど、対応には分かりづらさもみられた。菅義偉官房長官は15日の記者会見で「地域の持続的な発展に資するものかどうか、もう少し見極めたい」と述べるにとどめた。 

最終更新:5/15(月) 22:24

時事通信