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東芝会見詳報(2)「ウエスタンデジタルに売却差し止めの根拠はなし」

産経新聞 5/15(月) 15:56配信

 約20分間、平田専務が決算の見通しを説明したあと、質疑応答に移った。綱川社長らの主なやりとりは次の通り。

 --最終損益9500億円を重く受け止めるというがどう受け止めるか。決算短信を公表できなかった理由は

 綱川智社長「巨額の決算赤字を出したということで重く受け止めている。決算については、いろいろあるが、手続きの詳細は公表できない。独立監査人に制約を与えることはできないが、当方の決算書類に具体的な指摘を受けているわけではない。まだ監査中と言うことで決算短信として発表できなかった」

 --調査については、(4月11日の)第3四半期の決算会見で完了したといっていたが

 綱川社長「執行側としては、監査委員会とも協力し、独立監査人とも協調する。4月11日でほぼ終わったというのは監査委員会で行われた3四半期分の調査。今回は通期ということで、調査を継続しているということ。

 --監査法人の交代について、前回、佐藤良二監査委員会委員長は否定しなかったが

 綱川社長「法定期限までに提出できるように監査法人と協調して、最善を尽くす。監査法人は、執行側というよりも、監査委員会が独立して決めるが、交代するとかは聞いていません」

 --(半導体生産で協業する)米ウエスタンデジタル(WD)が国際仲裁裁判所に、半導体事業の売却の差し止め申し立てた。入札手続きは継続できるのか。

 綱川社長「分社化したメモリー事業のマジョリティー譲渡が、WDの主張するような契約違反に抵触する事実はなく、止める根拠はない。入札手続きに遅れが出るかということは、東芝の正当性を説明して、手続きを進める努力をする」

 --1点目、監査法人の溝が埋まっていない。原発建設会社、米CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)の損失認識を時期が争点ということか。 綱川社長「特に溝ではなく、監査法人とは一体となって、協力していく。1つのアイテムとして、認識時期というのがある。ただ、具体的に、決算書類のどこがだめか、指摘がない。調査を続けているという状況」

 --決算に織り込むのは確度が必要だが、会社としては、損失認識は事前にしていたのではないか

 綱川社長「執行部として事前に認識したものはなかった」

 --メモリー売却のめどは。売却ができないと債務超過の解消もできない。上場廃止のリスクも高まる

 綱川社長「持ち分の譲渡を含めて、協業する相手方の同意はいらないということになっている。提携しているWDがサンディスクを買収した場合も、東芝の同意は要らなかった。われわれはこのあたりを主張している」

 --売却先の二次入札の期限に変更はないのか

 綱川社長「変更なく、5月19日で進めている」

 --上場廃止も含めた法的整理の検討は有効な手段と考えていないのか

 綱川社長「検討していない」

 --WDに出した通達でWD社員の工場からの締め出しやサーバー切断が15日に行われるという報道があるが

 綱川社長「米国時間だとこちらは明日16日になる。事実を説明すると、WDのサンディスクの買収後、サンディスクから移ったWDの社員について、きちんとした契約ができていない状況で、当社の機密情報が流れている状況だった。両社の信頼関係の元で協議してきたが、これ以上、情報漏洩(ろうえい)のリスクが看過できないので、最大限、情報が流出しない措置を考えている。特に、今、工場に出入りがあるわけではないので、人の出入りを制限するものではなく、提携の運営には支障は出ない範囲で、アクセスをどうするかということになる。明日どうするかは決めていない」

 質問に対し、淡々と答える綱川社長。か細い声でマイクに拾われず、聞き取りにくいやりとりもあった。

最終更新:5/15(月) 19:58

産経新聞