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IoTのキーテクノロジー、エンオーシャンとは何か

5/15(月) 16:30配信

投信1

投信1編集部によるこの記事の注目点

 ・ IoTの普及拡大で、年間1兆個規模のセンサーが活動する「トリリオン・センサー」社会が到来すると言われています。そのキーテクノロジーとして注目されているのがEnOcean(エンオーシャン)です。
 ・ これは欧米で先行して普及している規格ですが、日本でも普及推進団体のプロモーター(幹事会社)を務めるロームを中心に応用製品化活動が展開され、日本市場向け製品が登場してきています。
 ・ エンオーシャンは独シーメンスで開発されていた技術をベースとし、スピンアウトして設立されたEnOcean社が中心となって技術開発および応用展開が進められています。また、2008年に設立されたコンソーシアム「EnOceanアライアンス」がアプリケーション開発や普及活動に取り組んでいます。
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「IoT」がメディアで取り上げられ、世間的にも広く知られる言葉となって数年が経つ。当初は漠然としたイメージや将来的な期待感が先行していたが、最近では関連デバイスや機器といった対応製品が徐々に登場し、業務用のセンシングサービスなどで実用化が始まっている。

IoTの普及拡大によって到来すると言われているのが年間1兆個規模のセンサーが活動する「トリリオン・センサー」社会だが、その実現のキーテクノロジーとして注目されているのが、エナジーハーベスティング無線通信規格のEnOcean(エンオーシャン)である。欧米で先行して普及している規格だが、日本でも普及推進団体のプロモーター(幹事会社)を務めるローム(京都市右京区)を中心に応用製品化活動が展開され、日本市場向け製品が登場してきている。日本においてもエンオーシャン技術を活用した製品の本格普及が始まったと言えそうだ。

ワイヤレスで自立センシングを実現するエンオーシャン

エンオーシャンは独シーメンスで開発されていた技術をベースとし、スピンアウトして設立されたEnOcean社が中心となって技術開発および応用展開が進められている。アプリケーション開発や普及活動には、2008年に設立されたコンソーシアムである「EnOceanアライアンス」が中心となって取り組んでいる。ロームはアジア地域唯一のプロモーターで、日本市場におけるエンオーシャン普及の旗振り役と言える。前述のとおり日本での普及はまだこれからといった状況だが、欧米ではビル内センシングなどで実用化されており、50万以上ものビル・建物への納入事例がある。

エンオーシャンは振動・熱・光などの環境に存在する微小なエネルギーを活用する「エナジーハーベスティング」により、自立駆動のセンシング、無線通信を行えるのが特徴である。省電力性能に優れ、スイッチであれば操作する力を変換した電力のみで無線で電波を飛ばすことができる。それより消費電力の大きいセンサー駆動やデータ送信においても、小型の太陽電池や長期交換不要な小型バッテリーなどで必要な電力をまかなえる。

煩雑かつ高コストにつながる配線も不要で、小型の無線センサーを自由に分散配置してセンサーネットワークを構築することが可能だ。通信の信頼性にも優れており、多数のセンサーを同時に使用する環境であっても問題なく動作させることができる。低コストで多数のセンサーの設置が想定される、IoTにうってつけの技術と言えよう。日本市場ではスマートメーターにも採用されている特定小電力無線の928MHz帯や、ZigBeeやBluetooth Low Energy(BLE)と併用できる2.4GHz帯製品がラインアップされている。

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最終更新:5/15(月) 16:30
投信1