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<話題>外国人、足元の大規模買い越しいつまで続くか―動かしている要因に注意

モーニングスター 5/15(月) 8:30配信

 外国人投資家の日本株買いが増えてきた。これは数字に明確に出ており、東証の投資部門別売買動向によると1月以降の現物と先物(225先物、225先物ミニ、TOPIX先物、TOPIX先物ミニ)を合計した外国人の売買動向は以下のようになる。

<外国人投資家の17年売買動向>
【1月】+500億円(現物+326億円/先物+174億円)
【2月】-4822億円(現物-2567億円/先物-2254億円)
【3月】-1兆7108億円(現物-1兆144億円/先物-6964億円)
【4月】+6255億円(現物+7556億円/先物-1301億円)
【5月】+3323億円(現物+1583億円/先物+1739億円)
【合計】-1兆1853億円(現物-3247億円/先物-8606億円)
*5月は第1週まで

 外国人は2-3月だけで約2.2兆円売り越した。これはトランプ米大統領の政策実行能力に疑問符が出てきたことに加え、米軍のシリア攻撃と朝鮮半島の緊張による地政学リスクの上昇、フランス大統領選を前に欧州での政治リスクを警戒して手じまいが進んだためだ。

 また、外国人は昨年10月から買い越す週が多くなり、11月の米大統領選以降はトランプ相場からこの動きが加速。10月第1週から12月第4週まで現物と先物合計で約5兆買い越した。2-3月は諸要因を理由に利益を確定する動きが強く出たといえる。

<外国人の買いやすい環境になってきた>

 ただ、フランス大統領選第1回投票が事前予想通り無難に通過し、挑発を繰り返した北朝鮮の動きも4月中旬以降は一服。5月7日に行われたフランス大統領選決選投票の結果で政治リスクは一段と低下、投資家心理を示す数値として利用されるCBOE(シカゴ・オプション取引所)のVIX指数(恐怖指数)は低下を続け、1993年以来の水準に低下した。

 日本株は世界の景気動向の影響や地政学・政治リスクを受けやすく、特に近年の外国人はリスクオンとなったとき一気に買い越してくる傾向を見せる。決算から企業業績の回復傾向も強く、外国人がさらに日本株買いやすい環境が整ったことは想像に難くない。日経平均株価が2万円に迫ったのはこうした背景がある。

<今後も世界景気、地政学・政治リスク、企業業績に注目>

 目先はまだ買いが続く可能性はあるが、問題は6月以降だろう。フランスでは6月に国民議会選挙が行われ、秋にはドイツの総選挙を控える。米国に目を向ければトランプ大統領の政策が実行されるか現状では不透明感が強く、いまは一服しているシリア、朝鮮半島情勢、ここから発展して米国、ロシア、中国の対立が精鋭化することはあり得る。

 日本株を左右するのは、いまさら言うまでもなく外国人。彼らが日本株を買い続けるかは世界景気、地政学・政治リスク、企業業績次第といえる。当然、この3点に関しては今後も注意が必要だろう。

(モーニングスター 5月12日配信記事)

最終更新:5/15(月) 8:30

モーニングスター