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歴史に名を残したいだけ?「2020年憲法改正」を目指す安倍首相の思惑

ホウドウキョク 5/15(月) 6:00配信

安倍首相は憲法記念日の5月3日、憲法改正について2020年の施行を目指す考えを自民党総裁としての立場で表明した。“戦争放棄”を掲げる9条1項、“戦力不保持”と“交戦権の否認”を定めた9条2項は維持したうえで、3項を新たに設けて3項に「自衛隊」を明記する考えを示している。

三浦瑠麗が迫る「2020年憲法改正」

その後、自民党内の議論を進め、国会に自民党案の提出を目指す考えも示しているが、安倍首相はなぜ2020年の憲法改正施行を目指すのか?また、議論の中心となる9条をどうすべきなのか?三浦瑠麗が護憲派、改憲派それぞれの専門家に話を聞いた。

護憲派:憲法改正をやった総理大臣として歴史に名前を残したいだけ

<早稲田大学社会科学部教授 西原博史さん>

最大の違和感は、2020年施行と時間を区切っている点。

そもそも憲法問題というのは、具体的にどういう問題があって、その問題をどう解決するためにどういう手立てをとればいいのかというきちんとした議論を踏まえるべきであって、自分の任期中だか何だか存じ上げませんけど、特定の時期までに決着をつけなきゃいけない。それって憲法改正自身が自己目的であって、何か問題を解決するために憲法を改正するという発想とは違うわけですから。

私はこういうかたちの憲法改正に関する議論に疑問があるということです。正直言って私には、憲法改正をやった総理大臣として歴史に名前を残したいという欲望で動いているようにしか見えないです。

90年代には何とか9条を改正して憲法の強い規範力を取り戻すんだという議論はありましたので、そこに戻ってその議論を取り入れれば何とか憲法改正を実現できるのかなという線で(今回の話が)出てきたのかなと思うんですね。

ただ、これは平和安全法制以前の議論の立て方ですので、現時点でそういう議論の立て方というのは不可能になっている。9条に何か付け加えれば問題を解決できるっていう時代ではないのではないでしょうか。

9条2項の中に「交戦権の否定」が盛り込まれているので、交戦権がないけれども戦争ができるという条項はよく分からないですね。そこの部分は何らかのかたちで2項の「戦力保持」が禁止されている、交戦権が否認されているという部分を組み替えていかない限りは、憲法としてのルールの体をなさないということだと思うんですね。

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最終更新:5/15(月) 6:00

ホウドウキョク