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航空機部品でモテモテ、難削材工具の魅力

ニュースイッチ 5/15(月) 10:08配信

DAIKO TOOLが飯田に新工場。長寿命で加工時間も短く

 切削工具の研磨や再生が主力のDAIKO TOOL(北九州市門司区、木場信行社長)は今、航空機産業へ参入して業容を拡大中だ。2011年に難削材向け切削工具「ビートル」を開発、メーカーへ脱皮した。また九州では珍しいドイツ・ワルター製研削盤を15台以上導入するなど積極投資を続けている。同社製工具は航空機部品製造に好評で、経営の柱に育った。

 93年に「大光研磨」の名称で創業したが、メーカーを志向してビートルを開発、16年に現社名に変更して以後は特殊工具メーカーとして急成長を遂げている。17年2月期売上高は約9億円と、11年2月期比4倍増に飛躍した成功の要因が航空機分野への参入だ。

 チタンやステンレス鋼といった難削材には多くの長所がある反面、加工時には工具欠損が多発し、工具寿命も短くなる。このため部品メーカーは粗削りと仕上げの2種類の刃を使うのが一般的だが、ビートルは1本で双方に対応することでコストを下げた。

 寿命も従来品比2―5倍と長く、ビビりにくい刃形状で高能率加工を実現して加工時間を短縮するなど、多くの課題を克服したことが顧客からの支持を得ている。発売当初は半導体部品や自動車部品向けが主流だったが、徐々に航空機部品製造にシフトした。

 17年には業容拡大を目指して長野県飯田市に進出した。現地貸工場を賃借し「長野飯田工場」の名称で4月から航空機部品向け工具生産を始めた。福岡県の企業が飯田市に進出するのは初めてという。これにより同社は20年2月期の全社売上高15億円を見込む。

 飯田市を選んだ理由を木場社長は「長野県を含めた近隣自治体が航空機分野に積極的に取り組んでいる。また北九州―名古屋(小牧)空港には直行便が就航しており、顧客が多い中部や首都圏へのアクセスがよい点も決め手になった」と話す。新分野で独自技術を磨き上げ、さらなる飛躍を狙う。

3年後には飯田工場を30人体制に

<企業プロフィル>
 創業当初から技術に定評はあったが、自社製品を持たないため値引き競争が避けられなかった。今は自社製品を核に加工法を提案するソリューション営業に切り替え、成功した。長野飯田工場は当初の10人から3年後に30人まで増やす計画だ。英字への社名変更は世界へ飛躍する思いを込めている。今後が楽しみな九州の企業だ。

日刊工業新聞北九州支局・大神浩二

最終更新:5/15(月) 10:08

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