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日本の米国オフィスビル投資が急増 ー 次の投資のターゲットは「小売革命」の渦の中

BUSINESS INSIDER JAPAN 5/15(月) 20:10配信

日本の海外不動産への投資が急増している。けん引しているのは、アメリカで開発される商業・オフィス複合ビル開発などへの資金だ。そして今後、日本の新たな投資が期待されるターゲットは、巨大小売チェーンをもなぎ倒すアメリカの「小売革命」の渦の中にありそうだ。

不動産サービス大手のCBREによると、2016年の日本の投資家による対外不動産投資は25億ドル(約2800億円)。世界の不動産投資の潮流をつくる中国の投資額に比べれば10分の1にも満たないが、前年から74%増えた。日本はその投資額の90%をアメリカに集中させている。投資対象のほとんどはオフィスとホテル。エリア別に見ると、東部を中心とするワシントンDC、アトランタ、マイアミが上位に入った。

国内の不動産会社にとって、これまで海外投資を行うインセンティブはさほど高くはなかった。国内の不動産投資市場は少なくとも5兆円(2015年現在)と規模は大きく、2007年には9兆円を超えていた。しかし、2008年の世界金融危機以降、海外を含めた分散投資の必要性が認識され始め、日銀の金融緩和が企業の資金調達の環境を改善、国外投資を促す結果となったと、ニッセイ基礎研究所の増宮守・主任研究員は話す。「大きなリスクを取るのではなく、長期的な戦略に基づいた海外投資が増えている」と増宮氏は言う。

GPIFの参入

現に、三井不動産は2017年までの3年間で、欧米とアジアに約5500億円を投資する。三井不は今年4月、同社初となるワシントンDC圏域での高層賃貸住宅事業を決定、2020年の竣工を目指すと発表した。現地のデベロッパーと共同でプロジェクトを進め、ビジネス・プロフェッショナルや政府機関の勤務者をターゲットとしている。三井不は現在、マンハッタンでもオフィスビルの開発(2018年竣工予定)に参画する一方、ロンドンではBBCのスタジオやオフィスとして利用されてきたエリアの大規模再開発を進めている。

機関投資家の動きも活発化している。

総額約145兆円を運用する世界最大規模の公的年金、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は4月に、国内外の不動産投資を間接的に行う準備をしていることを明らかにした。

GPIFは、国債や株式などの伝統的資産以外の代替資産(オルタナティブ・アセット)に投資を行うため、運用受託機関を公募する。投資対象はインフラストラクチャー、プライベートエクイティ(PE)、そして不動産だ。日本以外の先進国に投資する「グローバル・コア型」と、国内を対象とする「ジャパン・コア型」の2種類を計画している。不動産への投資は初めてで、GPIFは2月に海外不動産のエキスパートと言われる、英国三井不動産・元社長の山田秀人氏を迎え入れた。

日本郵政グループも資金運用の高度化を進めている。グループ傘下のゆうちょ銀行は昨年2月に不動産投資部を発足、すでにファンドの購入を通じた海外不動産投資を開始した。かんぽ生命も早ければ、6月までにファンドを購入する計画だ。

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最終更新:5/15(月) 20:10

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