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アジア最大級、鉢花の“工場” フローリテックジャパン/青森・六ケ所

デーリー東北新聞社 5/15(月) 14:00配信

 青森県六ケ所村の尾駮地区にある「フローリテックジャパン」は、バラやカランコエなど年間約300万ポットを出荷し、花卉(かき)生産農場として鉢物ではアジア最大級の規模を誇る。2万平方メートルの巨大ガラス温室は温度や光量が自動制御され、花の生育に適した環境が整っている。現場を訪ねると、機械が“黙々”と作業をこなし、工場のような光景が広がっていた。

 同社の前身は、トヨタ自動車と花の輸入販売など手掛けるハクサン(愛知県日進市)が1999年、共同出資で設立した「トヨタフローリテック」。2015年にハクサンの100%出資となり、現社名に変更した。

 温室は全長231メートル、幅88メートルあり、中は隅から隅まで花や植物で埋め尽くされている。五つのスペースに仕切れるようになっており、それぞれのゾーンで品目や生育状況に合わせた栽培管理が可能だ。

 先進地であるデンマークのシステムを採用。鉢物は地面から高さ1メートルほどの「ベンチ」で栽培され、水や養液は自動で供給。設定に応じ、張り巡らされた温水パイプや開閉式の天窓で温度を、遮光カーテンやナトリウム灯で光量を調整している。

 常時、温度や光量などのデータがモニターで映し出されるシステムで、農場長の佐藤拓也さん(47)は「一目で生育環境が把握できる。農場だけれど、工場のようでしょう」と画面を指し示しながら、説明してくれた。

 1800近くあるベンチの移動も自動。目の前で、挿し木したバラを載せたベンチがひとりでに動きだしたかと思うと、移動用機械がベンチを積んでレーンの上を走りだし、あっという間に温室の端から端まで運んでしまった。

 別の場所では、機械が一挙に十数個の鉢をつかんでベルトコンベヤーに次々と流していた。生育段階に合わせて鉢と鉢の間隔を広げる作業で、その先では同型の機械が鉢をベンチに並べ直していた。「人の手でやったら、何時間かかるか分からない」と佐藤さん。

 大きな労力を伴う単純作業を機械に任せる一方、品質を安定させるためにはマンパワーも欠かせない。同社では社員11人とパート約30人が勤務し、挿し木や挿し木直後の水やり、病害虫防除、バラ枝切り後の調整、出荷といった仕事は人手が担う。

 生産現場について、佐藤さんは「欧州では最初から最後まで機械化している所もあるが、こちらではまだまだ人の手に頼る部分が大きい」と話す。

デーリー東北新聞社

最終更新:5/15(月) 14:00

デーリー東北新聞社